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  • 建設×5G・大林組、KDDI、NECが実証実験

    【複数建機を遠隔操作/全国の現場 同時稼働描く】

     

     大林組とKDDI、NECは、第5世代移動通信システム(5G)を使った複数建機を遠隔操作などの実証実験を実施し、道路造成工事の一連作業の遠隔操作・自動化を実現できることを確認した。実証技術は『統合施工管理システム』として開発を進め、将来的には1カ所にオペレーターを集め、全国の複数の現場の建機を同時に稼働させるような世界の実現を目指す。大林組の古屋弘技術本部技術研究所上級主席技師は5Gの実現場での活用について「都市部でのタワークレーンの運転や拠点間通信など特性を生かせる部分で活用できるよう2020年度から取り組みたい」とした。

     

     実験は、総務省の5G総合実証実験の一環で、3日から14日まで川上ダム建設現場(三重県伊賀市)の一部フィールドを使って実施した。油圧ショベル、クローラキャリア、ブルドーザーの建機3台に前方映像用カメラ各3台、全方位カメラ各1台、遠隔操作用汎用遠隔操作装置「サロゲート」を設置し、カメラ映像と遠隔操作の信号データを5Gで伝送した。各建機の施工エリアを俯瞰(ふかん)する8台のカメラと、施工エリア全体を俯瞰する3Dカメラも使い、遠隔施工管理室のオペレーターが土砂の掘削・積み込み、運搬、敷き均しを実施した。振動ローラーは、事前にプログラムした転圧ルートと転圧回数に従って自動で稼働し、加速度センサーで土の固さも把握して、各種データを5Gでリアルタイムに遠隔施工管理室に伝送した。重機4台から、GNSSによる位置情報や現場状況と、3次元設計データの差異も遠隔施工管理室に伝送。品質や出来形をリアルタイムで遠隔施工管理室が把握できるよう、施工エリアに3Dレーザースキャナーを2台設置し、マシンガイダンス用のデータとして利用するとともに、5Gで施工現場の土砂量や造成結果のデータを伝送して遠隔地でリアルタイムに出来形を確認した。

     

     古屋上級主席技師は、『統合施工管理システム』について「実用化までの技術レベルは、80%まできた。残り20%はバックエンド技術の改善や品質・出来形計測結果を公共工事で利用できるようにする協議といった部分だ」とした。

     

     KDDIの黒澤葉子次世代ネットワーク開発部副部長は、大林組による実工事現場での5G利用について「商用化は都市部から始まるが、要望があったところには基地局の設置を検討する。全国での5G活用といった面で特にサポートしたい」とした。

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    掲載日: 2020年2月17日 | presented by 建設通信新聞

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