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新型コロナウイルス 建設業界に影響/トイレなど納期遅れも/発注者、企業から不安の声/現場で感染拡大
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症について、建設業界へも影響が広がりつつある。熊本市と千葉県は建設現場の作業従事者の感染が確認されたことを発表。熊本市の事例では現場で感染が拡大した。また、中国で製造・加工されているトイレ関連商品や石材といった一部製品・資材の生産や輸入に既に滞りが生じていることも分かった。流行収束への見通しが立たない中で、発注者や建設企業からは不安の声が上がっている。
熊本市は25日、市内に居住する50代の男性の感染を確認したと発表した。職業は土木作業員で、同市内で22日に感染が確認された別の50代の男性土木作業員と同じ現場に従事していたことから、現場を通じて感染が拡大した。千葉県は21日に60代の警備員の男性が感染したと発表している。
国内での感染拡大に加え、資機材の物流の面にも問題が生じている。TOTOは取材に対し、「部品の一部を中国から供給している製品もあるため、一部の製品で納期が遅れる可能性がある」と回答した。トイレやシステムキッチン、洗面化粧台など納期に遅れが発生する可能性のある商品の一覧をホームページ上に掲載し、顧客に確認を呼び掛けている。
LIXILは「13日から顧客に対し、製品の納期が遅れる可能性があるということを伝えている」と回答。YKKAP、大建工業の両社は現状、通常どおり納品しているとしている。
建設企業や民間発注者の間でも不安感が広がっている。20日に記者会見した日本建設業連合会の山内隆司会長は、今後、供給が滞ることが続けば「資機材不足が顕在化するだろう」と懸念を示した。
会見では個別の資材にまで言及はしなかったものの、例えば、中国製が多いブルーシートや土のう袋などは昨年の台風19号などの影響で国内の在庫は比較的、手薄な状態になっている。感染の沈静化までに時間を要すれば、出水期の自然災害の応急復旧用の資材確保に影響が出る可能性もある。さらに、建設企業にとっては資材調達の問題に加え、労働者の感染のリスクも抱えており、山内会長は「うがい・手洗いの励行など防止策を講じている。日建連主催のイベントは今後の動向を踏まえ、開催の可否を判断していく」とコメントした。
民間発注者の危機感も強い。4月の新年度に合わせてニーズが増加する、オフィス用のテーブルや棚など什器類について、製造・輸入の遅延が生じるケースを憂慮する声が一部の大手デベロッパーから聞こえる。
国土交通省では、建設業界団体に対して、手洗いの励行や消毒液の設置などの適切な措置を取るよう要請。あわせて、各地方整備局と北海道開発局、沖縄総合事務局には、発熱など風邪の症状が見られる時は休暇を取得させるなど、担当職員のみならず、受注者を通じて全作業従事者の健康管理に留意するよう呼び掛けている。
従事者で感染が確認された場合などを想定して、受注者が速やかに発注者に報告する体制の構築を指示するとともに、感染者の報告があった場合には、濃厚接触者と考えられる者に自宅待機を依頼するよう求めた。
措置を講じるに当たっては必要に応じて工事の一時中止の指示など、工期の見直しを含めた施工期間の適正化にも努めることを改めて通知している。
残り50%掲載日: 2020年2月26日 | presented by 建設通信新聞