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連載・人事戦略2020(4)設備
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【7割の21社が前年実績上回る/2020年4月外国人採用は15社】
日刊建設通信新聞社が実施した設備企業30社の「人材採用動向調査」によると、4月入社予定の新卒者総数は前年実績比7.8%増の3039人で、このうち技術系社員は7.9%増の2700人となった。依然として企業側の新卒採用意欲が高く、採用人数が前年を上回ったのは、全体の70%に当たる21社となった。採用人数が前年を下回ったのは8社、1社は同採用人数だった。
電気・情報通信系17社の新卒者合計は、6.1%増の2328人。14社が前年より採用数を増やし、3社は減少した。大手層は現場で作業に当たる技能職社員を含んでいるものの、最多は九電工の361人で、きんでんが360人、関電工が333人と3社が300人を上回っている。技術系社員の合計は6.7%増の2116人となっている。
設備企業の新卒・中途採用状況
*単位は人数。新卒は該当する年の4月採用で、カッコ内は技術系。中途は該当年度見込みで、技術系と事務系の総数。「-」は未定空気調和系13社の新卒者合計は13.9%増の711人。前年と比べ7社は増加、5社が減少、1社が前年と同数だった。大気社は100人を超えた。技術系社員は12.3%増の584人と、総数、技術系とも2桁の伸びとなった。
新卒の女性社員の総数は前年比14.9%増(41人増)の315人。電気・情通系は1人増の175人、 空調系が40人増の140人だった。全体採用数に占める女性の採用比率は10.3%。
外国人の採用は、2019年4月採用から3倍超の47人。電気・情通系は前年と比べ17人増の20人、空調系が16人増の27人だった。外国人を採用する企業数も増えた。電気・情通系は3社が7社に、空調系も6社から8社にそれぞれ増え、全体の半数に当たる15社となった。
採用数が前年実績を上回った企業は70%となったものの、採用予定人数を「確保できた」と回答したのは10社にとどまった。「苦労した」は11社、9社が「確保できなかった」とした。回答からは採用に苦戦した企業が多かったといえる。
採用担当者からは「理系人材の確保が難しい」「売り手市場で技術系の確保が難しい」「同業他社との獲得競争が例年より激化」などと、技術系採用母集団の確保に苦労する姿がうかがえる。また、「採用活動の動きが年々早くなっている」「各社の選考早期化、学生の選考参加社数の減少(絞り込み)」「学生の志望先が多様化」とする声も多く、企業の採用活動早期化とともに、売り手市場を背景とした学生の活動の変化が進んでいるとみられる。
一方で、「応募者が増え、計画を上回る人数を採用できた」「採用数を増やしたが、順調に確保でき早く活動を終えた」とする企業もある。
未回答の1社を除く、29社の中途採用の19年度見込み総数は、前年度実績比14.2%減(120人減)の731人。このうち、電気・情通系は11.2%減の527人、空調系(12社計)が21.0%減の204人だった。ただ、電気・情通系8社、空調系3社は中途採用数が前年度実績を上回った。
今後の採用方針は、新卒採用が電気・情通系の「増やす」が10社、「維持」が3社、空調系の「増やす」が10社、「維持」は3社。中途採用は電気・情通系が「増やす」2社、「維持」10社、空調系は「増やす」6社、「維持」7社だった。新卒、中途とも「減らす」との回答はなかった。
処遇面の改善では、日本コムシスが初任給3000円アップ、協和エクシオが大卒初任給4200円アップ、新菱冷熱工業が19年7月度から初任給アップ済み、ダイダンが初任給7.0-10.6%アップ、三建設備工業が修士2万2000円アップと大卒初任給1万円アップ、東洋熱工業が初任給2万円アップとなっている。大気社も大卒初任給の1万8000円アップを検討している。
(松下敏生)
残り50%掲載日: 2020年3月5日 | presented by 建設通信新聞