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  • 連載・人事戦略2020(5)道路舗装

    【苦境続く新卒確保 全社が目標未達/応募者減、内定辞退も響く】

     

     道路舗装業界の採用状況は、厳しい状況が続いている。日刊建設通信新聞社が11社を対象に調査した結果、今春の新卒採用予定者数は、全社ともに「予定枠を確保できなかった」と回答。約半数の6社は前年実績からも下回った。

     

     4月入社の新卒採用活動について、各社の担当者からは「母集団の形成が難しく、内定辞退者も多い」「説明会から選考への歩留まりが芳しくなかった」「事務職は計画値を確保できたが、技術職は大幅に下回った」などの声が寄せられた。特に、応募者の母数減少と内定辞退者の増加は複数社が挙げており、共通の課題となっている。

     

    2812道路舗装会社の新卒・中途採用状況
    *単位は人数。新卒は該当年4月採用で、カッコ内は技術系。中途(該当年度採用)は技術系と事務系の総数。「-」は未定または回答なし

     

     中長期の採用計画では、新卒採用は7社が維持、4社が増やす予定だと回答。中途採用も5社が維持、6社が増加予定としている。

     

     思うように人材を採用できない状況を打破するためにも、働き方改革や処遇改善について各社は活発に取り組んでいる。2020年度の現場の休暇・閉所目標では、三井住建道路と鹿島道路が4週8閉所を目標値に据えた。また、時間外労働時間の上限規制への対応として、NIPPOは「現場作業所での直行直帰の推奨・PCの強制シャットダウンシステムの導入など」、前田道路は「猶予期間を考慮して、労働組合との協議をしながら36(サブロク)協定の締結を実施」、日本道路は「上限規制に向けた段階的に時間外労働を削減するガイドラインの作成」、大成ロテックは「労働時間・休日などの所属部署内での“見える化”」、佐藤渡辺は「書式の電子申請やIT機器の環境整備、書類業務の効率化」を20年度から実施する取り組みとして挙げた。

     

     初任給や基本給、賞与などの賃金面では、6社が引き上げ実施を決定、さらに2社が検討している。NIPPO、日本道路、佐藤渡辺、三井住建道路は初任給の1万円アップ、大成ロテックは大卒・専門卒5000円と高卒9000円の初任給アップを実施する。また、前田道路は19年10月に給与改定を実施し、21年4月入社の初任給5000円アップを予定する。

     

     21年春入社の学生の新卒採用活動については、前田道路、日本道路、 東亜道路工業、世紀東急工業の4社が採用活動の開始時期を見直し、前年よりも早い時期から活動を展開している。 世紀東急工業は1月に採用ホームページをリニューアルし、 母集団形成のための広報ツールとして活用している。

     

     しかし現在、新型コロナウイルス感染症の流行によって通常どおりの採用活動は困難な状況にある。就職支援会社が主催する大規模なイベントや大学などでの合同説明会は中止が相次ぎ、自社で主催する会社説明会についても当面は中止とする企業が複数ある。実施する場合も、規模の縮小や除菌・消毒などの予防対策の徹底といった処置を取らざるを得ない状況だ。採用担当者からは「学生と直接会える貴重な場である学内説明会が中止になったことで、エントリー数への影響もあるのでは」「昨年に比べ説明会などの開始を早めていたが、採用活動が1カ月程度は滞るため1次選考・2次選考の日程も多少遅れることが予想される」といった声が上がっており、一刻も早い事態の収束が望まれる。

     (上山裕隆)

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    掲載日: 2020年3月6日 | presented by 建設通信新聞

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