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連載・人事戦略2020(6)メーカー
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【4月採用 6割が前年実績以上/技術系で不足感強まる】
建材、オフィス家具、建機、セメントのメーカー18社の4月採用では、約6割の11社(未回答1社)が前年実績人数以上を確保した。ただ、14社が現状の人員数を不足と感じており、特に技術系社員に不足感が出ている。2019年度から適用対象となった時間外労働時間の上限規制では、各社が課題を認識する1年となった。
メーカーの新卒・中途採用状況
単位は人数。新卒は該当年度の4月採用数で、カッコ内は技術系。中途は該当年度が対象で、事務系と技術系などの総数。「-」は未定または無回答。YKKAPの採用数は全国採用・事業所(地域)採用を含むグループ全体で、中途採用は全国採用(全国転勤可能な者)だけ4月採用で予定人員枠を確保するのが「苦労した」「できなかった」と回答したのは8社で、「確保できた」企業(10社)の方が多かった。現在の人員数を不足と感じている企業では、技術部門や生産現場、開発設計、工場部門、機械・電気・情報など技術系社員の不足感が強まっている。
ただ、今後の新卒採用計画については、「増やす」と回答したのは三菱マテリアル1社で、「維持」が12社、オカムラ、コマツ、日立建機、キャタピラージャパンの4社は「減らす」と回答した。「未定」は1社だった。中途採用も、「増やす」が3社にとどまり、「維持」が11社、「減らす」が3社、「未定」が1社となった。
情報通信、AI(人工知能)、ロボットなどの専門人材については、TOTO、YKKAP、積水化学工業、オカムラ、コマツ、太平洋セメント、三菱マテリアル、宇部興産の8社が採用・採用検討を進めており、情報通信分野やAI、IoT(モノのインターネット)分野の人材に高い関心を示している。こうした専門人材の4月の入社人数は、積水化学工業が2人、コマツが26人、三菱マテリアルが4人、宇部興産が1人となっている。
各社とも19年度から適用対象となった時間外労働時間の上限規制では、「自然災害やプロジェクトなどの緊急時・一時的な対応の際にも上限時間を意識しなければならないこと」 (三和シヤッター工業)、「建設現場での土曜休日作業に対する時間外労働の増加への対応」 (不二サッシ)といった建設業に深く関わる課題が浮かび上がってきた。「今後は働き方改革に挑戦する意識を社員自身が理解して実践できるかが課題」(YKKAP)、「業務そのものの見直し」(積水化学工業)、 「システム変更などによる労働時間管理の強化。効率化・生産性の向上による時間外労働の削減」(オカムラ)、「管理職層の時間外労働管理の強化」(三菱マテリアル)などと、 管理の難しさも課題となった。
賃金については、13社が初任給や基本給、賞与などの引き上げを検討していると回答した。大建工業は、19年度比で1300円アップする予定のほか、元旦ビューティ工業は21年度から初任給を5000円上げる。住友大阪セメントは、4月入社予定者から修士卒の初任給を引き上げる。
(おわり・竹本啓吾)
残り50%掲載日: 2020年3月9日 | presented by 建設通信新聞