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熱中症予防で連携強化/環境省・気象庁が新たな情報発信
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【今夏、関東甲信から先行】
環境省は、「気候変動×防災」の観点から関係省庁との連携を強めている。具体的な取り組みの第1弾として、気象庁とともに熱中症予防の新たな情報発信を今夏に一部地域で始め、2021年には全国で本格実施する。環境省が公表する暑さ指数(WBGT)と、気象庁が発表する高温注意情報を掛け合わせた仕組みとし、熱中症リスクが極めて高い気象条件が予測される際に、両省庁が共同発表して熱中症予防を国民に呼び掛ける。屋外作業を伴う建設業は熱中症の疾病者数が業種別で最も多く、暑さ指数を参考にする現場が多いことから、両省庁の新たな取り組みは建設業でも注目されそうだ。
全国840地点の予測・実況値を環境省のウェブサイトで公表する暑さ指数は、人体に与える影響が大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた指標。熱中症による緊急搬送者数と相関が高いが、国民の認知度が低い。
一方、最高気温がおおむね35度以上の予想で発表する気象庁の高温注意情報は、地方自治体や報道機関への伝達経路が確立され、一般まで広く情報が伝わっているものの、熱中症の緊急搬送人数と相関していない点が課題となっている。
どちらも一長一短があるため、両方の強みを生かし、「熱中症警戒アラート(仮称)」として、新たな情報発信の仕組みを構築する。暑さ指数をベースとした発表基準とし、気象庁が確立済みの伝達経路を通じて一般の国民まで情報を届けることを想定する。気象庁は「特に熱中症に警戒を呼び掛ける時に情報発信したい」と話しており、熱中症リスクが極めて高い気象条件が予測される日の前日に発表するイメージだ。
両省庁は「熱中症予防対策に資する効果的な情報発信に関する検討会」を4月に立ち上げ、発表基準や情報伝達方法などの具体的な仕組みを検討する。5月までにまとめ、7-10月に関東甲信1都8県を対象に先行実施する。
気候変動の影響で、日本の夏(6-8月)の平均気温は100年で約1.5度上昇しており、近年は災害級の暑さとなっている。建設業はその影響を特に受けており、厚生労働省の業務上疾病発生状況等調査によると、建設業の熱中症による疾病者数は近年100人台で推移していたが、18年には239人に上った。
環境省は気象庁のほか、「気候変動×防災」で内閣府とも連携を進めている。2月には小泉進次郎環境相と武田良太内閣府特命担当相(防災)がこのテーマを議論する意見交換会を初めて開き、社会に向けた両大臣の共同メッセージを6月ごろに打ち出すことを決めた。
残り50%掲載日: 2020年3月16日 | presented by 建設通信新聞