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  • コンクリひび割れ・はく落/無機系短繊維で抑制/戸田建設と鉄道総研鉄道構造物に初適用

     戸田建設と鉄道総合技術研究所は、玄武岩由来の無機系短繊維補強コンクリートを共同開発した。同コンクリートは、従来の鋼繊維補強コンクリートと同等の曲げ靱性を持つとともに、繊維のさびの発生や劣化の恐れなどを解決した。鉄道構造物の一部に初適用し、施工後14カ月経過した現在もコンクリート仕上がり面にひび割れの発生もなく、良好な美観を保っているという。

     

     短繊維補強コンクリートは、補強材として短繊維を混入したコンクリートで、ひび割れ抑制やコンクリート片のはく落防止などを目的にさまざまなコンクリート構造物に適用されつつある。従来使用されている短繊維は、鋼繊維や有機繊維などが挙げられるが、鋼繊維はさびが発生し美観を損ねること、有機繊維は紫外線によって劣化する恐れがあるなどの課題があった。

     

     そのため両者は従来繊維の課題を解決するため、玄武岩由来の無機系短繊維に着目。無機系短繊維はさびが発生せず非磁性体であるといった特性のほかに、特殊なエポキシ樹脂で繊維を被覆することにより耐アルカリ性を大幅に向上させることができ、実用化に至った。

     

     今回開発した技術は、補強材として繊維長40mmの玄武岩由来の無機系短繊維を1.0vol%(体積当たりに含まれる割合)混入した短繊維補強コンクリートで、「コンクリートのひび割れやはく落の発生を抑制できる」「鋼繊維補強コンクリートと同等の曲げ靱性を持つ」「無機系短繊維自体にさびが発生しないためコンクリート表面の美観を損なわない」「無機系短繊維の価格は鋼繊維と比べて3分の2程度となる(繊維混入率1.0vol%の場合)」といった特長があるという。

     

     戸田建設は、今回適用したコンクリート構造物の経過観察を継続するとともに長期耐久性を確認し、トンネルの覆工コンクリートや高架橋のスラブなど短繊維補強コンクリートが使われるコンクリート構造物を対象として、今後適用を進めていく考えだ。

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    掲載日: 2020年3月17日 | presented by 建設通信新聞

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