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山岳トンネル/坑内外の車両 一元管理/鹿島 待機時間を10%削減
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>鹿島は、トンネル工事で坑内外の車両を面的に測位し、現場全域の車両の運行を見える化して一元管理できるシステムを開発した。坑内での車両の走行がスムーズになり、掘削1サイクルタイム当たりの車両待機時間が10%程度削減できる。高知県で施工中の「日下川新規放水路工事」(発注者=国土交通省四国地方整備局)に適用して効果を確認している。
山岳トンネル工事では、ダンプトラックやアジテータ車などの大型車両が狭く暗い構内ですれ違う場面が多く、安全を確保するためには車両の位置を正確に把握できるシステムが必要になる。従来は車両の位置を検知するため、坑内と坑外のそれぞれに独立したシステムを配置し、GNSS(全地球衛星測位システム)電波が届かない坑内では車両位置を坑外のように正確に把握するのが難しかった。
今回開発したシステムは、タブレット端末を使ってすべての車両を坑内と坑外でつなぎ目なく把握する。坑外では、既存のタブレット端末を使った運行管理システム「スマートG-Safe」の一部機能を活用してGNSSで測位する。坑内では、Wi-Fiとビーコン(発信器)の電波強度を組み合わせた測位アルゴリズムを適用して、最大時速30㎞で走る車両を正確にリアルタイムで測位する。車両が坑内と坑外のどちらを走っているかは、車両に搭載するタブレット端末が自動で判別するため、システムを切り替える操作は必要ない。
ドライバーのタブレット端末画面には、トンネル内部を模式化した図で入坑中の全車両の位置・種類・走行方向を表示し、すれ違い個所や交差部も判別しやすくした。ドライバーと現場管理者による双方向通信も可能で、現場管理者から全ドライバーに向けた緊急時一斉メッセージや、ドライバーから現場管理者と全ドライバーに発信する緊急ボタンの機能も備えた。
車種ごとの切羽への到達回数を自動でカウントするため、穿孔・発破、ズリ出し、吹付け、支保工設置、ロックボルト打設といったサイクルの進捗状況がリアルタイムで正確に把握でき、ズリ出しがダンプあと何台で完了するか、吹付完了に必要なアジテータ車の数といった情報も関係者間で共有でき、次の行動の予測にも役立つ。
残り50%掲載日: 2020年3月24日 | presented by 建設通信新聞