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多関節型溶接ロボを開発/大型角形鋼管で連続作業/鹿島
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>鹿島は、超高層ビルなどで使用する溶接量が多い大型鉄骨対応のマニピュレータ(多関節)型現場溶接ロボットを開発した。東京都内の施工中ビルに実適用し、熟練技能者と同水準の品質が確保できることを確認した。今後、適用可能な柱径の拡大やより厚い板厚への対応などを進め、2021年1月ごろには次の現場での稼働、24年度には大型現場での複数台の稼働を目指す。
同社は、『鹿島スマート生産ビジョン』で「作業の半分はロボットと」などのコンセプトを掲げ、繰り返しや苦渋作業を実施できるロボットなどの開発・導入を進めてきた。鉄骨柱の現場溶接についても、汎用可搬型溶接ロボットを現場適用している。ただ、大型の鉄骨柱は接合部の開先の溶接量が多く、可搬型溶接ロボットでは作業中にポイントで溶接技能者が監視する必要があり時間がかかる上、角形鋼管柱の場合、溶接後に角部の処理が必要だった。
マニピュレータ型現場溶接ロボは、軽量で低コストな汎用6軸多関節型アームを、柱を取り囲むように設置したレールの上に配置し、角形鋼管柱の角部を連続で溶接できる。接合部の開先の形状に応じ、必要な溶接層数やパス数、溶接速度などを自動で算出できるソフトウェアも新たに開発して実装した。開先形状をリアルタイムで自動計測する開先形状センサーも開発中で、溶接中に溶接条件を自動補正できる。これにより、ロボットをセットすれば、自動で全周を溶接できるため、溶接技能者が持ち場を離れられる。
ロボットを次の柱に移動する盛り替えがスムーズに実施できるよう、車輪付きの専用台車や脱着式のケーブルハンガー、ロボットの可動範囲内に人が入らないようにする移動式養生パネルや簡易シート屋根もあわせて開発した。
実適用した都内で施工中のビルでは、800mm角、25mm厚の角形鋼管柱の一部の全周を溶接した。作業はすべて、溶接技能者を直用しているグループ会社・鹿島クレスが担当した。
小断面や角の丸いコラム柱、梁などは従来の可搬型ロボを適用し、大型角形鋼管はマニピュレータ型ロボで対応する。マニピュレータ型ロボは、いったんセットすれば持ち場を離れられるため、将来的には昼間に2人で4本の柱にロボットを設置して溶接し、終了後にほかの4本にロボットを設置して1人が監視・制御に当たりながら夜間に溶接する体制を整えたい考え。
残り50%掲載日: 2020年3月26日 | presented by 建設通信新聞