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  • 木造CLT複合壁 遮音性能で大臣認定/JIS評価で最高値/熊谷組 中大規模の建築物に適用

     熊谷組は、中大規模の木造建築物への適用を念頭に、CLT(直交集成板)複合壁の遮音性能の大臣認定を取得した。同社が開発したCLT耐火壁にふかし壁を施した仕様とし、実験室での空気音遮断性能はJIS(日本産業規格)の評価上最高値である遮音等級Rr-60を達成した。

     

     共同住宅の住戸間の壁単体の空気音遮断性能は、一般的に遮音等級Rr-55以上が望ましいと考えられている。CLT単体の壁の空気音遮断性能は、鉄筋コンクリート壁と比べると材料の面密度(単位面積当たりの質量)が低く、一般的なふかし壁を構成した場合でも鉄筋コンクリート壁と同等の遮音性能の達成は難しくなる。さらに、木造建物の各部材の取り合い部分の納まり上、遮音性能が下がる課題がある。

     

     そのため、CLTを荷重支持部材(芯材)とし、普通硬質石こうボードと断熱耐火パネルの積層構造を被覆した1時間耐火構造の壁(CLT耐火壁)に、遮音性能を確保するためのふかし壁としてグラスウールと上張り面材(普通硬質石こうボードと強化せっこうボード各1枚)を施したCLT複合壁を開発した。

     

     特長として、ふかし壁の背後空気層厚さを選定し、さらに上張り面材に比重の異なる石こうボードを積層することにより低音域の共鳴透過を低減させ、幅広い周波数の空気音遮断性能を高める仕様とした。実際の木造建築物では壁と梁や床との取り合い部分の納まり上、遮音性能が下がると考えられるため試験体には梁を想定した木材を設置し実際の取り合い部を再現した仕様とした。また、乾式工法による施工性と軽量性の向上を図った。

     

     今後、一昨年に開発したCLT複合床乾式工法による床衝撃音遮断性能(Lr-45相当)と合わせて、高い遮音性能を持つ中大規模の木造建築物への採用を目指していく方針だ。

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    掲載日: 2020年3月26日 | presented by 建設通信新聞

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