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  • 清水建設、シャープ/3眼カメラで配筋検査/人員・時間 3分の1以下に

     清水建設とシャープは、現場の鉄筋配筋検査ができる「3眼カメラ配筋検査システム」を開発した。配筋検査の人員と時間をそれぞれ3分の1以下に削減できる。内閣府の官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)を活用し、国土交通省が実施する「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用プロジェクト」に採択された現場を含む13現場に試験適用し、有効性を確認した。

     

     配筋検査では、 検査帳票の作成や検査用具の準備、 自主検査、 発注者の立会検査などに手間と時間がかかっているため、 検査精度を維持しつつ、 効率化する必要があった。

     

     3眼カメラ配筋検査システムは、3眼カメラとシステム制御ソフトで構成する。清水建設が配筋検査のニーズの整理、検査システムとCIMの情報共有システムの開発・実証を担当し、シャープが3眼カメラ画像からの鉄筋の抽出や鉄筋の輪郭・径の中心の認識が可能なアルゴリズムを開発した。3つのカメラが異なる方向から同時に撮影し、三角測量の原理を応用して画像データの3次元情報を把握する。制御ソフトは画像から鉄筋を抽出し、縦・横方向の鉄筋径や配筋の平均間隔、本数、重ね継手の長さ、コンクリート厚さを計測して検査帳票を作成する。誤差は、鉄筋径でプラスマイナス1.0mm、配筋の平均間隔でプラスマイナス5mmと工事管理基準内に収まっており、二段配筋などの複雑な配筋の検査にも対応できる。

     

     品質管理者が指定した検査対象範囲を撮影するだけで、7秒後には検査結果を自動的に画面に表示するため、ストレスなく検査業務を実施できる。1回の撮影での検査範囲は1m四方に限られるものの、複数の撮影結果を合成した広域の検査結果も取得できる。配筋の妥当性を確認できるよう、検査結果をCIMの配筋図データを色分けして重ね合わせて見られる。

     

     配筋検査の漏れを防げるほか、スケールや黒板などの検査用具の配備が不要になり、検査人員と時間を減らせるほか、離れた場所からの配筋検査が可能なため、検査のために足場を設置する必要もなく、安全性が向上する。

     

     今後は全国の土木現場に水平展開する。将来的には、システムの検査結果を発注者の立会検査で使えるようにし、立会日時の調整や発注者の移動なども省いていきたい考え。

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    掲載日: 2020年3月30日 | presented by 建設通信新聞

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