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建設論評・コミュニケーションと人間の習性
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>人間のコミュニケーション時の習性(行動様式)を一考したい。自分と他の人との関係があってこそ自分が見えてくると言われる。例えば、自分が幸せじゃないから他人の幸せが喜べない。余裕があって優しさを知ると言われる。
今日、対人関係能力のうちコミュニケーション力を高める啓発の機会やツールは多々ある。そこで、多項目の中から筆者が経験で得た人間の行動様式を数点拾い上げてみた。
まずは受け手側の視座として「事実か否かではなく、脳が自分に不都合な情報を自動的にカットし、都合の良いように考える」「人間は自分の言ったことに従おうとする性質がある。意思と行動がバラバラだと満足できないし、筋が通れば快感を得る」「人は受け取る情報が少ないと自己都合のよい内容で隙間を埋めようとする」「少数事例に固執あるいは誇示すると、こじつけと捉える」「つまずきワード、例えば、英語や流行、カタカナ語は、理解欲求を失う」「普遍性のない成功談よりも普遍性のある失敗談の話の方が受け入れやすい」などがある。
発信側が気にすべき事柄は次の内容である。「言語は的確に情報を伝達できる。非言語は受け手に多くのイメージを抱かせる。表情や仕草しぐさも重要な意思伝達法である。伝える内容の体現者であるべきで、でなければ、口に出す資格はない。言行不一致は信頼関係を築けない」「相手の立ち位置や属性などを勘案し、内容や構成、共通言語などに気配りする」「話の内容は、判断基準の基になる対象者の利己・損得を推測して具体性を持たせる。また、課題の発見と解決に至るプロセスの大事さを気付かせる」「異なる意見を発信する際は、まず肯定し、疑問形で問う。就業意欲維持を意図する」「プレゼンテーションなどでは相手の脳に先を予測させて『絵』を描かせ、『欲しい』という感情に働き掛ける。テレビショッピングではないが先に理性を働かせるような話(価格など)をすると、欲求が生まれにくい」。加えて、「言葉から人間性と品格が出る」「社会的弱者に対する態度で、その人や組織・社会の成熟度が分かる」「先入観は差別を生みやすい。差別(いじめ)の用語発信や行為者は水に流すが、された側は石に刻む。一呼吸置くなど、ことば選びは十分配慮する。軽率な一言が別の課題、問題を引き起こす」「口のきき方。『礼儀』の範ちゅうにとどまらず、交渉力・コミュニケーション力が評価対象となる」「対談とは何でもしゃべり、意見を表明することではない。相手を理解し、本質を話すこと。対話のコミュニケーションが大切」などである。
コミュニケーションには、テレビコマーシャルのような短期決戦型もあるが、社会的責任を負う公器として市場からの好意獲得を意図する持久戦型の広報もある。重要なのは、人間の行動様式を考慮し、成果を得る地に着いた前例踏襲にとらわれないコミュニケーション力だと言える。多くの異国籍外国人含む約500万人の従事者を抱える建設業界、さまざまなノウハウを屈指したコミュニケーション業務は事業目標達成に寄与する重要部門である。(次)
残り50%掲載日: 2020年4月21日 | presented by 建設通信新聞