当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 鹿島×竹中 技術連携 第1弾/タワークレーンを遠隔操作/過酷な作業環境を改善/アクティオ・カナモトと共同開発

     鹿島と竹中工務店は、アクティオ、カナモトと共同でタワークレーンの遠隔操作システム「TawaRemo(タワリモ)」を開発した。時間や空間を超えた稼働を可能にすることで、オペレーターの身体的負担の軽減や作業環境の改善を図ることが狙い。高齢化の進展による熟練オペレーターの減少や若手への技術継承(入職促進)といった社会課題の解決を見通す。

     

     ことし1月にロボット施工・IoT(モノのインターネット)分野をターゲットに技術連携を打ち出した鹿島と竹中工務店にとって、第1弾の技術開発となる。

     

     既に大阪に設置した専用コックピットからの遠隔操作によって名古屋にある大型タワークレーンでの材料の移動や積み込み・積み下ろし作業などを実証。今後も両社の現場で試行しながら、専用コックピットの増産や保有するタワークレーンの改良を進めることで、2021年度の本格運用を目指す。

     

     アクティオは自社が保有するタワークレーンに順次システムを導入。カナモトはコックピットと通信システムのレンタルと運用保守を担当する。業界全体への普及と還元を念頭に4社の共同プロジェクトとして「遠隔操作システム」の展開に取り組む。

     

     新たに開発したタワリモはタワークレーンの運転席の回りに設置された複数台のカメラによって撮影したフルHDの映像をコックピットに伝送。専用コックピットに配備されたモニター画面にタワークレーンから見た“リアルな視界”が映し出される仕組み。

     

     荷重などの動作信号や異常信号を閲覧できる専用モニターだけでなく、タワークレーンに設置されたジャイロセンサーを介してコックピット側に実際のタワークレーンの揺れや振動を伝送。実際に乗っているのと変わらないリアルな操作感を生み出す。

     

     NTTドコモの閉域ネットワークによって高いセキュリティー性能を確保する一方で、カナモトの通信システム「KCL」を採用することで低遅延での直感的な操作を可能にしている点も特長だ。

     

     というのも、タワークレーンのオペレーターはクレーン頂部に設置された運転席まで40-50mをはしごを使って昇降する。いったん運転席に着くと作業終了まで高所に拘束されるなど、その過酷な作業環境から、身体的負担の軽減など働き方改革が求められていた。実際に遠隔操作システムを効果的に活用すれば、地上にあるコックピットから場所の制約なくタワークレーンを操作することができる。

     

     例えば、複数のコックピットを配置したコントロールセンターから全国の現場にあるタワークレーンを遠隔で動かす、あるいは昼は国内、夜は海外から遠隔操作すれば、時差を利用してワークライフバランスを保ちながら24時間施工を実現することも可能。オペレーターの働き方は大きく変わっていくことになる。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2020年6月17日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事