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  • 建機のオイル劣化状態を遠隔監視/NEDOの革新的センシングデバイス研究開発

     新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は22日、既存のIoT(モノのインターネット)技術では極めて困難で過酷な環境下や非破壊での計測、超低濃度成分の検出などを可能とする革新的センシングデバイスの実現に向け、新たに6件の研究開発に着手すると発表した。6件のうち1件は、建設機械の油圧作動油と潤滑油の粘性を測定するIoTシステムを立ち上げ、劣化状態を遠隔監視して、早期の故障発見や予防的なオイル交換をユーザーに提案するICTソリューションサービスの実現を目的とした「極限環境の液体管理をIoT化する革新的粘性センサの開発」で、産業技術総合研究所とヤマシンフィルタが研究開発を担う。

     

     研究開発の実施期間は2024年度までの予定。産総研と同社は、うずまき状の振動子を持つ粘性センサーの測定原理を改良して、非ニュートン性や粘弾性の測定を可能にする。その上で、大幅に小型化し、激しい流れからセンサーをカバーする機能やポンプなどのモジュールを積層した革新的粘性センサーを開発する。

     

     具体的にはまず、非ニュートン性や粘弾性を測定可能にするため「ずり速度一定のうずまき状振動子」と、ずり応力が半周期の間一定となる振動法を新たに提案。次に、産総研で開発した「極薄センサ化技術」によって大幅な小型化を実現し、「積層パッケージ技術」を応用して、ホルダーカバーとセンサーを、ウェーハレベルで低コストに実装し、2mm角以下の超小型粘性センサーを実現する。

     

     研究開発プロジェクトでは、粘性センサーを「建機の油圧作動油の循環清浄装置のフィルター」に設置して、オイルの劣化と、フィルターの性能を常時モニタリングし、情報をインターネットを介して収集。オイルやフィルターの交換タイミングをユーザーに伝えるほか、機械の稼働状態をアドバイスするといったIoT―ICTビジネスモデルを構築する。

     

     建機の分野では、ほかの産業分野に先行してIoT化が充実していたにもかかわらず、油圧作動油やエンジンオイルなどの劣化状態のモニタリングに適したセンサーがなく、IoT化できないでいた。このため、途上国での故障率増大などの問題につながっている。

     

     一方で、液体用の粘性センサーは、水晶振動子を使うタイプなどが以前から提案されてきたものの、振動周波数が1メガヘルツ程度と高周波のため、液体の粘性の非ニュートン性や粘弾性が発現してしまうことから、センサーと一般的な粘度計の値が一致しないことが問題となっていた。

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    掲載日: 2020年6月23日 | presented by 建設通信新聞

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