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感染症対策で手引き策定/近角士会連合会会長が就任会見
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【職能の原点へ一丸で行動】
日本建築士会連合会の第11代会長に就任した近角真一新会長は、23日の会見で感染症対策を検討するタスクフォース(TF)を早ければ7月にも設置する考えを示した。換気の悪い密閉空間の改善や、感染症に強い住宅のあり方などを検討し、対策マニュアルを策定する。新型コロナウイルスがもたらす不安を乗り越えるためには、「職能を生かした行動をとって責任を果たす以外に道はない」とした上で、防災、まちづくり、感染症対策に力点を置き、「人命と暮らしを守る職能の原点に立ち返り、社会に向けて一丸となった行動に踏み出す」と力を込めた=写真。
同日に東京都港区の建築会館ホールで開かれた通常総会・理事会後に会見した近角新会長は、新型コロナウイルス感染症拡大の第2波や新しい生活様式への対応、自粛に伴う経済への影響といった不安を払拭(ふっしょく)するために建築士が早急に対応すべき事項として、▽空調設計の工夫による感染経路の物理的遮断▽換気が悪い密閉空間が引き起こすクラスター感染の原因究明と再発防止策の検討▽感染症に強い住宅づくりへの取り組み--を挙げた。
これらについて具体的に検討するため、連合会の各委員や他団体の専門技術者の協力を得てTFを設置する。検討成果は感染症対策マニュアルとしてまとめ、各単位士会に配布するとともに、講演会などを実施して周知を図る。
住宅の換気性能の改善に向けては、「医療と連携した取り組みも必要だと思っている」とした。また、クラスターが発生した空間の実地調査実施にも意欲を見せた。
まちづくり関連では、地方移住者を受け入れる集落整備を構想する地方自治体のニーズを踏まえ、単位会が市町村からまちづくり計画などについての発注者支援業務を受けることを想定し、連合会の各委員がケーススタディーなどを実施する。
まちづくり関連の委員会ではテレワークに対応した商工住複合地のあり方や、区画整理、再開発といった都市計画手法によらない協調設計による街区づくりなどを検討する。
技術分野の委員会では、既存ストック改修部分のまちづくりのルール化や、街区単位で複数の建築工事が進展していく中で、「設計と施工の建築士の協働体制のあり方などが検討課題になる」とした。
浸水被害復旧タイムラインに沿った被災者支援にも力を入れる。台風通過後に時間差で市街地を襲う新しいタイプの浸水被害が増えていることから、被災者のニーズに寄り添った支援の方法を探る。
また、避難所の感染症対策、応急危険度判定、罹災証明書発行につながる住家被害認定調査、浸水被害復旧概算シートを使った生活再建相談、施工者と協働で実施する調査、設計、工事のあり方も提案する。
会員の増強に向けては、「40代、50代の働き盛りの非会員層に入会をアピールすることに注力していきたい」とし、「施工者を含めたさまざまな分野の建築士が協働して解決に当たる場として建築士会が機能すれば、自然に仲間が増え、より大きな課題への対処が可能になる」と力を込めた。
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近角 真一氏(ちかずみ・しんいち)1971年7月東大工学部建築学科卒後、同年8月内井昭蔵建築設計事務所に入所。79年11月近角建築設計事務所入所、85年7月から集工舎建築都市デザイン研究所所長。2017年6月から東京建築士会会長。北海道出身、73歳。
残り50%掲載日: 2020年6月25日 | presented by 建設通信新聞