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  • 建築分野に積極展開/後施工耐震補強「ポストヘッドバー工法」/大成建設

    【大型発電所施設など適用ニーズに高まり】

     

     大成建設は、地中土木構造物の“後施工”耐震補強工法として、土木分野で多くの実績を積み上げてきた「ポストヘッドバー工法」の適用範囲を拡大する。大型発電所施設など建築分野への展開を狙う。内側空間からしか補強工事ができない建屋地下の基礎部分や地下外壁の耐震補強など、潜在的なニーズを満たす有効な工法として積極的に売り込んでいく方針だ。

     

     ボックスカルバートや地下壁を有する既設の地中土木構造物(RC造)を対象とした耐震補強工法であるポストヘッドバー工法は、構造物の内側から“後施工”で補強工事を施すことができる技術。供用を継続しながら、構造物を増厚することなく耐震性を向上できるため、事業継続が求められる地下鉄のトンネルなどに有効な工法となる。

     

     特に“既存不適格”となるような建設時期が古い地中土木構造物は現行基準に照らし合わせると内部の鉄筋が少ない。構造物の内側から特殊な鉄筋を挿入することで、容易に部材のせん断耐力を向上させるポストヘッドバー工法へのニーズは高い。

     

     実際に2005年に土木研究センターの建設技術審査証明を取得して以降、約15年間の件数ベースでの施工実績は854件(4月1日現在)。せん断補強鉄筋の施工本数は約137万本という豊富な適用実績がある。

     

     これまで土木分野での耐震補強工法として広く認知されてきたが、近年は大型発電所施設などの建築構造物でも当初の設計条件よりも大きな地震力への対応が求められていることから、地中土木構造物と同様に内側空間からしか補強工事ができない建屋地下の基礎部分などへの適用ニーズも高まっていると判断。建築分野への適用範囲の拡大に踏み切る。

     

     ポストヘッドバー工法は構造物の内側から特殊ドリルで削孔した穴に専用モルタルを充填した後、ポストヘッドバーと呼ぶ端部に定着性能を高めるプレートを取り付けた特殊な鉄筋を挿入。床や壁など部材のせん断耐力を向上させる仕組み。

     

     19年12月に都市居住評価センターの構造評定を取得して建築構造物にも適用できる環境を整備。リニューアル対応に力を入れる中で、建築分野における耐震メニューの1つとしてポストヘッドバー工法を追加した形となる。部分的にせん断耐力の不足が懸念されるような基礎板や地下外壁などを持つ建築構造物への積極的な活用を見通す。

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    掲載日: 2020年7月14日 | presented by 建設通信新聞

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