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大成建設/山岳T前方の湧水測定/的確な事前対策に効果
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>大成建設は、大量の湧水の発生が予測される山岳トンネル工事で、前方に存在する複数の湧水帯の位置や湧水の量・水圧を安全かつ効率的に測定できる新たな技術「T-DrillPacker」を開発した。孔壁崩壊のリスクを回避しながら、測定に要する時間を大幅に低減できる点が特徴。湧水帯の状況を正確に把握することで、より的確な湧水対策の立案に役立つ。
切羽の崩落や作業効率の低下など高圧・大量の湧水が工期や安全に大きな影響を及ぼす点に着目。あらかじめ切羽前方の湧水区間(湧水帯)の位置や状況を正確に把握するための仕組みとして、トンネル坑内からの水平ボーリング(調査ボーリング)を利用して切羽前方の湧水情報を取得する新たな技術を開発した。
現場での実証試験によって、その有効性を確認した。大量の湧水が予想されるトンネル工事をターゲットに積極的な適用を図っていく。事前に前方の湧水量や水圧を正確に把握・測定することで、安全かつ効果的な湧水対策を実施。山岳トンネル工事の安全性や生産性の向上につなげていく。
水平ボーリングによって掘削した穴を利用して行う切羽前方の地質・湧水状況の調査は、先端に取り付けた削孔ビットの後方で削孔管を継ぎ足しながら掘り進む。
従来の調査手法は削孔管と削孔ビットを回収して、ボーリング先端部にパッカーと呼ばれる袋状の部材を挿入して拡張。パッカーの膨張によって湧水区間を隔離(止水)することで湧水帯の状況を計測していたが、削孔管を引き抜くことで、孔壁崩壊のリスクを伴うという課題があった。
削孔管の回収に手間と時間を要するだけでなく、仮に削孔を再開する場合も削孔ビットと削孔管を再挿入しなくてはならない。
新たに開発した「T-DrillPacker」は、アウタービットとインナービットで構成する“二重ビット”を適用。インナービットだけを回収することで、削孔管を存置したままアウタービットの内側からパッカーを通す。
削孔管を引き抜くことなく、安全に湧水量・水圧を測定できることから、従来手法の課題であった孔壁崩壊のリスクを回避しながら、削孔管の回収に要する手間や時間を低減した迅速な調査が可能になる。
インナービットを再挿入すれば、即座に削孔の再開も可能。より効率的に湧水量や水圧を測定することができるというメリットがある。
残り50%掲載日: 2020年7月15日 | presented by 建設通信新聞