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労災撲滅/健康増進/社会貢献のあり方進化/菅野建設工業/行政・工高など延614人が体験
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>多発・激甚化する自然災害を受けて、「地域の守り手」としての地域建設業が果たす役割に注目が集まる中、福島県本宮市に本社を置く菅野建設工業(菅野泰助社長)は労働災害の撲滅と健康増進の観点から地域コミュニティーの活性化に一役買っている。本社の敷地内には業種、産業を問わず誰でも利用できる「危険体験実技センター」と「フィットネスジム」を新設し、無料開放。地域還元の枠組みを広げていくことで、社会貢献のあり方を進化させている。
菅野建設工業は「顧客・社員・地域社会との“絆”を強め、すべてにおいて信頼・安心できる企業を目指す」という企業理念を実現する上で、「働く人たちの“安全”が大前提。つまり、安全意識の高揚が不可欠」との原点に立ち、安全教育の実体験型教育訓練施設である危険体験実技センターを2018年6月に開設した。
菅野社長は、社会的信頼と担い手確保の観点からも労働災害撲滅の重要性を強調。その上で「危険に関することを何度聞かされるよりも1度経験した方がその怖さを実感できる。現場で起こり得る事故・災害につながる状況を具体的に目で見て、体と肌で感じることが大切」とセンター設置の目的を説明する。
自社の社員や関連会社、協力業者だけでなく、生徒、同業他社、異業種企業も受け入れ、これまでに地元の労働基準監督署や広域行政組合消防本部、工業高校、福島県建設業協会、民間の生産工場などが利用した。安全教育研修の実施回数は65回に上り、延べ614人が参加した。利用料は無料となっている。
施設内には、労働災害の発生要因の上位を占める滑り・転倒、脚立作業、玉掛け、安全靴挟まれ、ハンマードリル回転時の巻き込まれ、飛来落下のほか、ディスクグラインダーの取り扱い、加齢に伴う平衡感覚の変化、安全帯でのぶら下がり、サンドバックによる衝撃荷重確認、垂直タラップ昇降時の落下などを体験できる設備を備える。
土砂災害や足場からの墜落など、危険体験が難しい労災はVR(仮想現実)技術を活用した「3Dシアター」で再現する。
実際の安全教育研修では、疑似体験を通じて指導員と参加者、参加者同士が意見を交わすことを重視し、危険に対する感受性・敢行性を高め、現場に潜む危険リスクへの理解を促す。
今後も体験設備を拡充するとともに、新技術を積極的に導入し、「持続的な安全教育への参加と労災減少に寄与したい」(菅野社長)考えだ。
◆住民らに無料開放
また、19年にはトレーニングマシンやシャワーなどを常設するフィットネス施設を新設した。地域全体の健康増進を後押しするため、住民らも無料で使用できる。同社はさまざまな分野に目を向け、多角的に社会貢献活動を展開する。
残り50%掲載日: 2020年7月16日 | presented by 建設通信新聞