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免震建物の変位モニタリング/“直立型”で省スペース化/竹中工務店
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【重要施設の機能維持】
竹中工務店は、地震による免震建物の動きを誤差1mm以下で正確に計測することができる「直立型変位計」を開発した。1台で免震建物の水平2方向の変位を計測できるのが特徴。計測した変位データをモニタリングすることで地震による免震部材へのダメージや建物の安全性の判断に役立つ。病院や庁舎など機能維持が求められる重要施設を中心に積極的な適用を働き掛けていく。
センサーなど計測機器の設計・製造・販売を手掛ける東京測振(東京都足立区)と共同開発した。既に2019年9月に竣工した竹中工務店の社員教育寮「深江竹友寮」や、5月に竣工した横浜市役所新庁舎に適用。東京測振が外販することで、免震部材の維持管理など建物の耐震性能の維持に役立つツールとして、建設市場への普及を狙う。
計測した変位データの蓄積が免震部材の健全性の判断などに生かせることから、防災拠点となる病院や庁舎など大地震の発生直後であっても絶えず機能維持が求められる重要施設(免震建物)をターゲットに積極的に活用を提案していく方針だ。
これまで地震による免震建物の変位を記録する手段としては、ケガキ計が多く採用されてきたが、ケガキ板に残される軌跡を確認するために技術者が設置場所である免震層に入る必要があるため、地震直後など余震の可能性がある場合に直ちに確認できないといった課題があった。
従来型の製品である水平型変位計も1方向のみを計測するものであるため、水平2方向に動く免震建物の変位を計測するには最低でも2台の導入が必要となる。ガイド材などの付属装置も必要となるため、十分な設置スペースを確保できない場合など必ずしも適用が進んでいるとは言い難い状況にあった。
新たに開発した直立型変位計は、直立型の独自の計測機構によって設置場所の省スペース化を実現した。 1台で水平2方向の計測が可能であることから、最低2台が必要な従来品と比較して設置コストを低減できる。計測データを管理用PCなどに表示することで、 地震が発生するたびに技術者が直接的に免震層に入って目視する必要がないという安全面のメリットもある。
南海トラフ地震など大規模地震への切迫性からリアルタイムに免震部材や建物の変位を把握したいというニーズに誤差1mm以下の正確性で応える省スペース・低コストの技術として今後の普及が期待される。
残り50%掲載日: 2020年9月2日 | presented by 建設通信新聞