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  • 活躍の場 広がるME/橋梁点検9割担う/岐阜県 診断・補修包括発注

     社会インフラの維持管理に関する“町医者”としての役割を担う「メンテナンスエキスパート(ME)」が活動の幅を広げ、メンテナンスサイクルの構築に寄与している。MEの先進地である岐阜県では、小規模橋梁の大半をME有資格者に発注。発注者の業務負担軽減と地元企業の受注量確保を両立しつつ、点検補修の効率化を実現している。また、日常的な道路利用者を「メンテナンスサポーター(MS)」に認定し、市民の協力を得ながら、維持管理体制の強化に努めている。

     

     岐阜県が管理する2m以上15m未満の橋梁2700橋のうち、9割の点検・修繕をMEが担う。これまでは発注者が直営で対応していたことから、大幅な業務削減が図られる。

     

     MEの高度な技術力を生かす観点から、点検と診断、対策工法の提案、補修工事までを包括的に発注する。1契約当たり30橋程度を対象とし、契約方式は単価契約(総価入札)で、契約金額は1000万-2500万円に上る。MEの活用は入札参加要件となっており、有資格者が多く在籍する地元企業の受注機会が拡大している。

     

     全体工期は点検診断、補修設計、修繕工事を分離発注していた従来と比べると、6-12カ月程度の短縮が見込まれる。

     

     また、受注者の維持管理に関する技術力の向上と、地域に根ざした維持管理の実現が期待されている。

     

     県では、建設コンサルタントに委託している15m以上の大規模橋梁の点検についてもMEへの発注を検討する。

     

     岐阜県は、「MEによる地域再生構想」を内閣府に申請し、2008年度に地域再生認定を受けた。岐阜大と連携しながら、MEの養成を進め、16年度に国の民間技術者資格制度に登録された。4月現在の有資格者数は500人を超える。

     

     また、県民参加型のボランティア活動による「メンテナンスサポーター」も展開。地域の道路を地域で見守る制度として、1000人以上が活動する。

     

     MSは担当区域を決めた上で、危険個所などの情報を収集する役割を担う。基礎知識を習得する講習会を経て認定している。

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    掲載日: 2020年9月11日 | presented by 建設通信新聞

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