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  • 経営軸線・プロパティデータバンク「@プロパティ」

    【不動産管理ソフトとBIM連携】

     

     不動産テックのパイオニアとして、不動産運営情報のデジタルトランスフォーメーション(DX)をけん引するプロパティデータバンク(東京都港区、板谷敏正社長)。建物維持管理のさらなる高度化に向け、不動産管理ソフト『@プロパティ』(アットプロパティ)とBIMがクラウド上でリアルタイムに連携するアプリを開発し、東京オペラシティビル(東京都新宿区)と実証実験を進めている。板谷社長は「維持管理コストの最適化が成功すれば、多くの既存ビルに展開できる」と期待を込める。◆維持管理で2割コストダウン目指す/東京オペラシティビルで実証実験

     

     @プロパティは、不動産管理ソフトとして、プロパティーマネジメント(PM)、ファシリティーマネジメント(FM)、ビルメンテナンス、アセットマネジメント(AM)、固定資産管理など維持管理に必要なあらゆる機能を搭載し、2000年にリリースしてから約5万1000棟に採用されている。特に、大手デベロッパーや保険会社、総合ビル管理会社、J-REITなどの施設で採用が進んでいる。

     

     BIMの活用段階を分類するとき、建物完成後を「維持管理」と一言でくくりがちだが、ライフサイクルで最も長いのが竣工後の不動産管理であり、必要な業務は多岐にわたる。不動産資産を持つ企業の施設管理部門にとっては新築にかかわる業務はわずかであり、BIMには日常的な不動産管理業務の効率化やコストダウンが期待されているのが実情だ。

     

     そのため、同社が東京オペラシティビルと共同して取り組む「BIMを活用した不動産情報プラットフォームの構築による既存オフィスビルの施設維持管理の高度化と生産性向上」が、国土交通省の「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」に採択され、今年度は入居者(テナント)管理とエネルギー管理情報のBIM連携についての検証を進めている。次年度には中長期修繕計画と連動した工事情報などを連携する予定だ。

     

     @プロパティの不動産管理情報と建物の正確な形状情報を持つBIMが連携することで、これまで現地で大きな図面を広げ、補修場所を確認していた作業が、ひと目で理解できるようになる。空調などの設備機器がどのテナントに通じているかも色分けし、タブレット端末やスマートフォンで管理できるなどさまざまな業務効率化が期待できる。

     

     特に米国では、FMなど既存施設の活用からBIMの実証が始まった経緯もあり、発注者のメリットが重視されている。Whole Life Cost(WLC、不動産資産の一生涯にかかる支出と収入の管理・評価を加味したコスト)のマネジメント手法を研究している早稲田大学理工学術院総合研究所の研究プロジェクトに同社も参画しており、「成果を反映させている」という。

     

     不動産管理システムの高度化に向け、これまでに『会計』と『BEMS』(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)のシステムと@プロパティの連携を進めてきた。新たに、施設や設備情報、空間情報を可視化するBIMと連携することで、さらなる高度化を図る。

     

     同社は@プロパティで管理する不動産情報を「常に変化する動的情報」、BIMモデルを「一定期間変化しない静的情報」と位置付け、賃貸費用や光熱費など日々変化する情報は不動産管理ソフトで扱い、建物の構造や設備の位置、製品スペックなどの情報を持つBIMをひも付けることで施設全体の長寿命化とWLCの最適化を目指す。

     

     具体的には、築25年を経過した東京オペラシティビルの図面からBIMモデルを作成し、@プロパティのシステム内でテナント管理台帳や中長期修繕計画の情報とBIMモデルを連携させる。台帳の項目をクリックすると調べたいテナントの位置が3次元モデルに表示されたり、メンテナンス記録を指定すれば該当個所が表示され、工事内容や日時、コストなどの属性情報を表示できる。モバイルデバイスから閲覧できるため、現場の業務も効率化する。維持管理全体で2割のコストダウンを目指す。

     

     板谷社長は「不動産管理においてBIMをシンプルに利用できるようにし、経営者や管理者に使いやすいシステムを完成させたい」と意気込む。

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    掲載日: 2020年9月18日 | presented by 建設通信新聞

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