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  • 恵比寿ガーデンプレイスタワー/長周期地震動 揺れ半減/鹿島が新制震装置を開発

     鹿島は、長周期地震動の揺れを半減させる制震装置「D3SKY-L」を開発した。同社が設計施工を担うサッポロ不動産開発の「恵比寿ガーデンプレイスタワー」制震工事に適用する。制震工事によって、建物の揺れ幅や揺れを感じる時間が大幅に低減される。建物を利用するすべての人の安全・安心を確保する「最新鋭の制震ビル」に生まれ変わることになる。

     

     新たに開発した「D3SKY-L」は、多段積層ゴム式の大型TMD(チューンド・マス・ダンパー)となる。

     

     所有者であるサッポロ不動産開発と共同で、地震動に対する制震効果だけでなく、眺望や工事中のテナントへの影響を最小限に抑える工法を検討してきた結果、ヘリポートとして使用されていた屋上の限られたスペースで効果を発揮する省スペースのTMD型制震装置「D3SKY-L」の採用を決めた。工期は2022年8月まで。

     

     実際に専用開発の積層ゴムを用いた3段構成であるため、装置の高さが低く抑えられた仕様となっている点や、錘重量450t(許容ストローク1.5m)のTMDを3基連結した構成とすることで、大幅な省スペース化を実現。工事中でもオフィスやレストラン街は通常どおりの営業が可能だという。

     

     対象の恵比寿ガーデンプレイスタワーは地下5階地上40階建て、高さ167mの超高層オフィスビルとして1994年に竣工した。住宅、ホテル、映画館、美術館、レストランなどで構成する商業施設・恵比寿ガーデンプレイスのランドマークと言える建物となっている。

     

     東日本大震災によって都内近傍で観測された地震動に対するシミュレーションを行った結果、建物の全方向の揺れを半減、揺れを強く感じる時間も大幅に低減されることを確認した。今回の制震工事によって、より安全・安心な最新鋭の制震ビルに生まれる変わることになる。

     

     鹿島は、新たに開発した「D3SKY-L」を既存の超高層ビルにおける長周期地震動への有効な対策メニューの1つとして今後、積極的な展開を図っていく方針を示している。

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    掲載日: 2020年9月23日 | presented by 建設通信新聞

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