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大成建設/現場作液を自動制御/地盤注入改良材 材料コスト20%低減
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>大成建設は、液状化対策や地下掘削の止水対策などに用いる地盤注入改良材「T-GeoSiliquid」(特殊シリカ系注入材)を開発した。素材の見直しによって材料コストを約20%も低減している点が特徴となる。注入改良材の現場での“作液”を自動化する新たなアプローチによって、施工の合理化を実現している点も大きなポイントになっている。
注入改良材は土木資材の開発などを手掛ける立花マテリアル(大阪府豊中市、石井三郎社長)、ICTによる自動制御を組み込んだ作液システムは東興ジオテック(東京都中央区、瀬高末広社長)との共同開発となる。
地盤注入改良材の適用フロー
6月に注入改良材の性能や現場での作液方法の有効性を示す日本材料学会の技術認証を取得済み。材料コストの低減と現場での施工の合理化を両立させた材料・製造技術として、大規模地下工事での止水対策をターゲットに積極的に活用していく方針だ。
共同開発3社に大成建設グループの成和リニューアルワークスを加えた4社で技術の一層の普及・活用を狙う。
最大の特徴は、高止まりとなっていた材料コストの改善(素材の見直し)とプラントでの材料の作液・混合の自動制御。とりわけ作液・混合の自動化は注入工法の改善が重視されてきたこれまでの経緯から見ても、新たなアプローチと言える。
酸性のA液(造粒シリカ材料+酸性反応材+水)とアルカリ性のB液(水ガラス系材料+水)を混合して製造する注入改良材は、作液が完了してから硬化に至るまでの時間(ゲルタイム)が品質を左右する重要な管理指標の1つ。理想的なゲルタイムに調節することが、改良体の出来や施工の品質を決定づけることになるからだ。
新たに開発した作液システムはA液とB液の2種類の薬液の混合割合(混合速度と混合量)を、混合槽のpH計と各薬液の供給パイプに備えた流量計のICTデータによって自動制御する仕組み。
ゲルタイムに相関する注入材のpH値や薬液の投入量を計測・記録することで、作液のプロセスをリアルタイムに見える化することができる。
A液に加えるB液の投入速度を3段階で可変する運用面での工夫も実施。初期の「急速」投入によって作液時間の短縮を図りながら、終盤の「低速」投入でpH値の調節精度を高めていくなど、作液作業の効率化と高度化を両立させた技術となっている。
残り50%掲載日: 2020年9月23日 | presented by 建設通信新聞