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  • 建設論評・外国人の雇用を守るために

     この数年の国内女子プロゴルフツアーは「黄金世代」「プラチナ世代」と呼ばれる若い選手に加え、韓国選手の活躍が目立つ。しかし、ことしは新型コロナウイルスの影響で入国できず、入国禁止前に来日していた選手のみが出場できるという事態になってしまった。申ジエ、アン・ソンジュ、イ・ボミ、ペ・ソンウといった実力派や、キム・ハヌル、アン・シネといった人気選手の姿が見られないのは大いに残念である。

     

     外国人が日本国内で働くためには旅券とは別に、期限が明記された「在留カード」が必要になる。その在留カードには「就労制限の有無」欄があり、「就業不可」と記載されていれば、原則として雇用できない。「就労制限なし」なら、文字どおり就労内容に制限はないし、「一部就労制限あり」の場合は、技能実習や特定活動といった在留資格に合った就労活動ができる。韓国選手も例外ではあるまい。

     

     その在留カードだが、ある民間企業の調べによると、年間で推定約30万枚の偽造カードが発行されているという。期限や在留資格を改ざんし、数千円程度で販売されているらしい。偽造在留カードでまんまと企業に潜り込むというわけだ。採用する側も、一応、在留カードをチェックするのだが、目視だけではそうそう見破れるものではない。

     

     一方、不法残留者は2020年1月1日現在で8万2892人に達している。前年に比べ8725人増加している。仮に偽造在留カードが不法残留者に渡った場合、1人当たり3.6枚のカードを持っている計算になる。偽造カードで条件のいいところを渡り歩くのだろう。

     

     雇用した側も「無傷」では済まない。「不法就労助長罪」という罪に問われることになる。たとえ偽造カードであることを知らなくても懲役3年以下もしくは罰金300万円以下に処せられることになる。19年に不法就労助長罪で検挙された件数は396件、検挙者数は434人に達する。外国人を雇用する企業にとっては「対岸の火事」という話ではない。

     

     在留カードが有効かどうかを確認するため、入国管理局のホームページには「在留カード等番号失効情報紹介」というページがある。この画面で在留カードの番号と有効期限を入力すれば、有効か無効か確認することができるのだが、最近は実在する在留カード等の番号を悪用した偽造在留カードも存在するため、同じ画面にある「偽変造防止対策のポイント」で確認するという手間がかかる。罪に問われないようにするには、多少の面倒は我慢しなければならない。また、こうした手間を省くため、カードに内蔵されたICチップを読み出す装置も開発されたと聞く。これで即座に偽造かどうかが判定できるのだそうだ。

     

     正規の在留カードでまじめに働く外国人をきちんと守るために、雇用する側はしっかりと在留カードをチェックする必要がある。それは雇用者自身や企業を守ることでもある。そのための手間と投資は惜しんではならないと思う。 (悠)

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    掲載日: 2020年9月23日 | presented by 建設通信新聞

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