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戸田建設ら/水素系混合ガス「マスカット工法」/無振動でコンクリ切断
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【厚さ1mも、解体現場に提案】
戸田建設は、日酸TANAKA(埼玉県三芳町、佃淳一社長)、岡谷酸素(長野県岡谷市、野口行敏社長)と水素系混合ガス(サンカッターHL-T)を使ったマスコンクリートなどの切断工法「マスカット工法」を開発した。“無振動”でコンクリートなどを切断できる点が特長となる。同社が東京都中央区で施工する新TODAビル計画に伴う解体工事に適用した。
マスカット工法はRC造やSRC造、CFT造などのコンクリート構造物を解体する技術。水素系混合ガスと酸素を特殊な金属粉と混合して燃焼させることで、コンクリートを融解しながら、構造物を切断する仕組みとなる。
燃焼補助材として使う特殊な金属粉によって高い切断能力を実現。RC部材を構成するコンクリートと鋼材の同時切断を可能にした。ワイヤーソーイングによる切断工法では難しい地下外壁なども片側から切断できるため、狭い空間での作業など、いわゆる従来工法よりも幅広く適用できるという強みもある。
マスコンクリートを小さく分断できることから、大型機械の採用が制限される地下部分など狭い空間での小型重機による作業に役立つ。
実際に重機による破砕効率(解体作業に要する時間)は、主筋をマスカット工法でガス切断した場合、事前の主筋切断がない従来工法との比較で40%程度も短縮。CFT構造物の切断効率もワイヤーソーイングによる切断工法との比較で20%程度短縮できる。
現在はコンクリートの厚さ1mまで切断できることを確認済み。今後さらに厚いコンクリートの切断を目指していくという。
RC構造物の解体工事は大型のブレーカーなどを使う工法が一般的となっているが、作業に伴う周辺への工事振動が大きな課題となっていた。
振動を抑制する工法として、ワイヤーソーイングやコアボーリングといった切断工法があるが、それぞれワイヤーソーを切断部位の外周に設置しなければならない点や、棒鋼や鉄骨などの鋼材がコアボーリングの障害となってしまうという課題があった。
同社はそれらの課題を解決できる周辺環境に配慮した解体工法として今後、解体現場での積極的な活用を図っていく方針を示す。
残り50%掲載日: 2020年10月14日 | presented by 建設通信新聞