当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 全建ブロック会議・強靱化投資の継続求める/新しい地域のつくり手担う/中間まとめ

     全国建設業協会(奥村太加典会長)と国土交通省などとの2020年度地域懇談会・ブロック会議が15日の九州地区で折り返し点を迎えた。これまでに開催された関東甲信越、近畿、四国を含む4地区とも、20年度で終了する「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」後の強靱化投資のあり方について言及。自然災害に強い国土の形成は国民の安全・安心の確保に直結し、発災時の応急復旧を担う地域建設業の持続的発展にも寄与することから、防災・減災、国土強靱化対策の継続を求めた。

     

     各地区で要望された防災・減災、国土強靱化対策の継続は、自然災害が多発・激甚化する中で、国土形成に対する国民の認識が変化し「社会的要請」となっていることが背景ある。九州建設業協会の友岡孝幸会長は「新型コロナウイルス感染症の影響から冷え込む経済を回復・拡大基調に導くためにも国土強靱化の力強い実施が不可欠」と加える。

     

     さらに、関東甲信越地方建設業協会長会の浅野正一会長が「19年の台風19号(東日本台風)で会員企業が応急復旧に従事した際に、地域住民が涙を流して感謝していた」と話すように、「(自然災害の)復旧活動には地元建設企業の活躍が不可欠であることが広く国民に理解され始めている」(森田紘一四国建設業協会連合会会長)。

     

     近畿建設業団体協議会の松田隆会長は、強靱化対策の継続によって事業量が確保されることで「建設業者の経営も安定化する」ため、インフラ整備や有事対応といった社会的使命の遂行や担い手対策の推進につながっていくと強調。その結果が地域の安全性向上という形で住民に還元されると説明する。

     

     国土交通省も「気候変動の影響によってますます激甚化・頻発化する自然災害に備えるには抜本的かつ総合的な防災・減災対策が必要」と各団体と同様の認識を示した上で、「3か年後も中長期的な視点に立った計画的な取り組みのための予算について、激甚化・頻発化する自然災害を鑑み、これまでの実績を上回る必要かつ十分な規模が確保できるようしっかりと取り組んでいく」ことを明かした。

     

     その姿勢の表れとして、21年度予算の概算要求では「3か年緊急対策後の激甚化・頻発化する自然災害への対応」を「緊急的に要する経費(緊要な経費)」に盛り込む。ただ、緊要な経費には新型コロナウイルス感染症対策なども含まれ、どの程度の金額が確保できるかは不透明だ。さらに単年度措置であるため、中長期的な強靱化対策の実行には受発注者が連携しながら、その重要性についてより広く理解を得ていく必要がある。

     

     また、コロナ禍によって変化が生じており、「高速道路の交通量が昨年度と比べて大幅に減少し、利用料収入の原資となる4車線化の整備の遅れが懸念される」「若者が人口の集中する大都市圏を避け、地元に残る傾向が強くなった影響から応募があった」との意見が聞かれた。

     

     全建の奥村会長は、地域建設業が「自然災害から地域の守り手としての使命を果たすことに加え、ポストコロナの新たな時代において、新しい地域のつくり手としても中心的な役割を務めていかなければならない」と力を込める。関東甲信越や近畿地区で議題となった建設キャリアアップシステムを含め、後半戦でも地域の実情が共有され、国土と地域建設業の持続的発展を念頭に置いた建設的な議論が期待される。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2020年10月16日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事