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能登ヒバと鉄骨一体化/北陸支店の新社屋に適用/ハイブリッド耐火木鋼梁を開発/清水建設
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【スパン25m超の木質大空間】
清水建設は、木質建築の要素技術として、集成材と鉄骨を一体化したハイブリッド耐火木鋼梁「シミズ ハイウッド ビーム」を開発した。能登ヒバを集成材に使った耐火木鋼梁で1時間の耐火性能を認定する国土交通大臣認定を取得。今後もカラマツの集成材を使った耐火木鋼梁で大臣認定を取得するなど、木質建築をターゲットにした技術開発に取り組んでいく。
初弾として北陸支店の新社屋に適用する。古都・金沢の伝統的な建築様式である格天井を最新技術である耐火木鋼梁によって再現。スパン25mを超す木質の大空間を実現する方針だ。
北陸支店の新社屋に使うのは、仕上がり断面が高さ1160mm、幅310mmのシミズ ハイウッド ビーム。内蔵する鉄骨梁は梁せい(H型鋼の高さ)1000mm、フランジ幅150mmとなる。この木鋼梁をオフィス空間の長辺方向に3.6m間隔で架設すると同時に能登ヒバの集成材を用いて格子角1.8mの角天井を築く。
対象のシミズ ハイウッド ビームは北陸地方の地元林業の活性化を目的に集成材として石川県産の能登ヒバを採用。梁せい350-1000mm、ウエブ厚さ12mm以上、フランジ厚さ19mm以上の鉄骨梁に能登ヒバの集成材による80mmの耐火被覆を施すことで1時間の耐火性能を持つ。
これまでも大臣認定を取得した耐火木鋼梁の製品は存在していたが、認定対象の鉄骨の梁せいが最大600mmで、集成材もカラマツに限定されるため、構造性能と材種が北陸支店の新社屋の設計条件を満たさなかったという。
新社屋の格天井は、 設計コンセプト 「北陸の地域・未来とつながるオフィスづくり」 で示した未来につなげる新技術の採用と金沢の歴史・伝統との融和に対応するものとなる。
近年、国や自治体による木材利用の推進と企業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを背景にいわゆる木質構造の建築物が徐々に普及しつつある中で、木質建築を構成する「シミズ ハイウッド」シリーズなどを展開して中大規模の木質建築向けの技術開発を推進している清水建設にとって、シミズ ハイウッド ビームは新たな要素技術の開発となる。
残り50%掲載日: 2020年10月29日 | presented by 建設通信新聞