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建設論評・リモート社会の未来
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>リモートコンサートが話題を集めている。無観客コンサートを有料でネット配信するやり方など、少し前までは誰も思いつかなかった。しかもそれが興行的にも十分に成功している。きっかけは「3密」を避けるやむを得ない事情であったとしても、この成功は新しい可能性を示唆していると言ってもよい。
リモート環境は仕事にも大きな影響を及ぼす。既にリモートワークの導入によりオフィスを縮小して、デスクのフリーアドレス化で出社を最小限にしている企業もある。その延長線上には、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)の活用推進により、文字どおりフリーアドレスでのリモートワークが考えられる。
デスクワークはUSBメモリー1つで、全国どこからでもサーバーにアクセスしてリモートワークを可能にする。大都市に集中したオフィスを地方都市やリゾート地に分散して活用するのである。
働き方改革と連動して、例えば長期休暇の分散によりリゾート地から、あるいは帰省先からSOHOを活用して仕事ができる環境が整えば、働き方のバリエーションはさらに広がる。
大都市一極化のリスク回避からも有効な手段であり、その環境を整えることは重要な課題である。官民が危機意識を持ってリモートワークの発展的な推進を行うべきではないだろうか。既に聞きなれたSOHOというキーワードが、リモート環境が格段に向上した社会の、今後の働き方に大きな影響力を持つ可能性を秘めている。
建設現場も変わるだろう。まず重機の操作がリモートで可能になる。オペレーターはオフィスの一室で、全国の現場の重機を操作できるのである。
ウェブカメラを活用すれば、現地よりも詳細な作業状況をモニターして作業精度をあげることもできる。ウェブカメラを搭載したドローンを活用して、作業状況を遠くからあるいは近くからチェックすることも可能である。
作業所におけるさまざまな作業の進行状況もウェブカメラで監視可能になる。オフィスにいる担当者が画面に並んだたくさんのモニターを見ながら現場監督をする日が来るかもしれない。
もちろん現場でなければできないコミュニケーションは残り、職人や現場スタッフたちとの信頼関係は現場監督の大きな責任である。ただ現場管理をよりよくするためにリモートに限らず、情報環境を効果的に活用していく姿勢を忘れてはならない。
リモート社会はわれわれの予想以上に新たな可能性を秘めている。形骸(けいがい)化した価値観にとらわれずに、さまざまな可能性を追い求める姿勢が必要である。働き方や社会の改革はもちろん、それによりどのような仕事が生まれ、またどのような仕事が淘汰(とうた)されるのか。
新しい技術や環境の出現、その変化を見逃してはならない。その視点こそがリモート社会を生き残る課題となるのではないだろうか。(泰)
残り50%掲載日: 2020年11月16日 | presented by 建設通信新聞