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水辺活用へ船着場/親水空間とセットで検討/都心開発で相次ぐ
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>東京都心部の開発事業で、船着場の整備が新たな潮流として台頭している。首都高速道路の地下化が計画中の日本橋川沿いエリアの再開発などが代表格だが、それ以外の地区でも川沿いに親水空間と船着場をセットで検討する動きが増えた。一方、道路上空にデッキを整備して交通広場や緑地、歩行者ネットワークを確保する手法も増えつつある。
◆神田川でも船運
東京都千代田区で再開発事業を検討している外神田一丁目1・2・3番地区再開発準備組合は、対象地南部を流れる神田川沿いに親水広場や船着場、親水歩行者空間などを整備する方向で検討している。他地域とのネットワークを形成する新たな船運拠点として位置付ける。
計画概要案によると、神田川沿いにはホテル・住宅棟、既存施設を改築する万世会館棟を建設し、国道17号を挟んだ敷地北側にはオフィス・商業棟として大型施設を建設する。オフィス・商業棟の低層部には貫通道路を設けた上で、さらに国道上空にデッキを整備して南側のホテル・住宅棟と接続する計画だ。
再開発には野村不動産グループや日建設計などが参画し、都市計画手続きを経て2022年度にも本組合を設立する見通し。23年度の着工、28年度の竣工を想定している。対象区域は、外神田1-1~3の約1.7ha。
同じ千代田区内で計画中の内神田一丁目地区の開発でも、日本橋側沿いの水辺のにぎわいを創出する水辺広場と、船着場整備による舟運の活性化を検討している。現地は日本橋川と首都高速道路により、南側の大手町地区とエリアが分断されているため、川を渡る人道橋で回遊性を高め、歩行者ネットワークを神田警察通方面の北側にも広げる構想だ。橋の受け地部分には大規模広場を配置する見通し。
開発には三菱地所が参画し、規模は地下3階地上26階建て延べ約8万5000㎡で、事務所や店舗、ビジネス支援施設などが入る。22年度の着工、25年度の完成となる見通しだ。建設地は、内神田1-1-12、14の敷地約0.5haで、既存オフィスビル2棟の敷地を一体開発する。
◆上空に広場や緑地も
国土交通省が東京都港区で計画している「国道15号・品川駅西口駅前広場」は、道路上空をダイナミックに活用する事業の1つ。国道の改良にあわせて上空に広場を整備し、駅や沿道の再開発ビルなどと接続する。今後、段階的に整備を進め、27年のリニア中央新幹線開業時にはデッキ北側を完成させる計画で、デッキ南側も含めた全体完成は30-40年代となる見通しだ。
デッキのうち北側にはPFIによる「次世代型交通ターミナル」、中央部分に利用者動線の拠点となる「センターコア」を配置、南側は民間事業者が商業施設を含む「賑わい広場」を整備する計画。多様な主体による連携によって完成を目指す。
一方、中央区は首都高速道路の上空を活用し、大規模な緑のネットワークを整備する構想を検討している。大規模改修する都心環状線・築地川区間の上部に人工地盤を整備して緑道化する計画を検討している。これが廃止となる東京高速道路(KK線)の路面を活用した緑道とつながる形で、銀座エリアを取り囲む「緑のプロムナード」が実現する構想だ。
現在、帝国ホテルなどが立地する千代田区の「内幸町一丁目街区」の大規模再開発計画でも、道路上空の活用を検討している。日比谷通りなどの道路上空にデッキによる公園を整備し、日比谷公園との緑の連続性や回遊性を高める。再開発には三井不動産、NTT都市開発などのデベロッパーが参画する見通し。
残り50%掲載日: 2020年11月17日 | presented by 建設通信新聞