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土木構造物のPCa化推進/「角丸カルバート」開発/清水建設ら 製作コスト15%削減
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>清水建設は、コスト削減に効果がある新形状のプレキャスト(PCa)ボックスカルバート「角丸(かくまる)カルバート」を開発した。トンネル工事でのPCa化の推進が狙い。隅角部の形状を円弧状にすることで、局所的に作用している負荷を低減。鉄筋コンクリート量を減らすことにより、従来のPCa部材との比較で製作費を約15%も削減できるメリットがある。
部材メーカーである千葉窯業と共同開発した。
断面が矩形(四角)のトンネルを構築するためのロの字型の構造体であるボックスカルバートは、隅角部に大きな負荷が作用するが、従来の直角の隅角部を円弧状にすることで負荷を分散。局所的に作用していた負荷を約30%も低減できる特長を持つ。
隅角部の内側(入隅)と外側(出隅)の円弧の中心位置を変えることで、側壁と頂版・底板の厚さを任意に設定できるため、従来のPCa部材との比較で鉄筋量を最大40%、コンクリート量も10%削減できるという。
鉄筋量やコンクリート量の削減によって製作費を約15%も削減できる角丸カルバートは、建設現場での生産性向上を目的に国策として継続的な展開が求められるi-Constructionの重点施策の1つ、「土木構造物のPCa化」のニーズに対応するものとなる。
この新形状のPCaボックスカルバートは、とりわけ土木構造物のPCa化の推進にとって、最大の課題となっているコストの増大(コスト削減のニーズ)を解消する画期的な技術・製品として、今後の積極的な活用が期待されることになりそうだ。
既に実物大2分の1スケールの試験体を使用した実証実験で、従来のボックスカルバートと同等の性能を発揮することを確認した。2021年秋に「新東名高速道路川西工事」(発注者=NEXCO中日本、施工者=清水建設・岩田地崎建設JV)の開削トンネルへの適用を予定している。
適用するトンネルの長さは98m。PCa部材(1体)の外寸は縦7.95m、横9.7m、幅1mで重量は54t。98体を使用する。部材を4ピースに分けて工場で製作。現場で鉄筋の継手とモルタルで接合・一体化させて所定の場所に据え付けることで連結・延伸する計画だ。
残り50%掲載日: 2020年11月25日 | presented by 建設通信新聞