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高断熱不燃SWPを開発/冷凍倉庫、CRで適用目指す/フジタ、大和ハウス工業、イワタニ
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>フジタと大和ハウス工業、イワタニ(山梨県笛吹市、岩谷一社長)は、樹脂系素材を芯材に使いながら高い不燃性能を備えた有機系ハイブリッド型サンドイッチパネルを開発した。ISO(国際標準化機構)規格の実大自立型ルームコーナー試験の20分加熱試験で優れた防火性能を確認した。今後、サンドイッチパネル(SWP)の市場が年間1000万㎡を超えるとみており、冷凍物流倉庫や生産工場のクリーンルーム、緊急時の仮設病棟、災害時の仮設住宅、コロナ・細菌対策用畜産工場、ワクチン用倉庫、コンビニの冷凍庫などへの適用を目指す。
SWPは、倉庫などの間仕切りとして広く使用されている。芯材には、不燃性能が高いロックウールなどの無機系素材が使われていることが多い。ただ、冷蔵倉庫などで無機系素材を使用すると、断熱性を高めるために壁を厚くする必要がある。断熱性の高い有機系素材を使ったSWPもあるものの、建設作業中や竣工後、改修工事中、解体工事中などに火災が発生すると燃え広がりやすく、外側の鋼板の内部で芯材だけが燃え続けて倒壊する恐れがある。実際に世界中で有機系SWPの火災事故が発生している。
新開発の有機系ハイブリッド型SWPは、外側の鋼板と芯材のウレタンとの間にケイカルなどの無機系不燃材を挟み込む。パネルとパネルの接合部は、芯材に火炎が入り込まないよう機械的に強固に固定する方法を採用した。樹脂系の特長である高い断熱性を持ちながら、無機系の特長である不燃性も備える。これにより無機系SWPよりも壁厚を薄くできる上、軽量で施工もしやすくなる。
性能試験では、従来から実施されている防火材料の性能評価試験「コーンカロリーメーター試験」(ISO5660の発熱性試験)だけでなく、ISO規格の実大自立型ルームコーナー試験(ISO13784-1)や、新たに国内でSWP用耐火性能試験として制定された中規模自立型模型箱試験(JIS A 1320)でも20分の加熱試験で高い防火性能を示した。
評価方法や結果評価などで技術指導に当たった野口貴文東大大学院工学系研究科教授は、「樹脂系のSWPで実大の耐火試験をクリアできる製品を始めて国内で供給できる。この技術を皮切りに開発が進み、無機系だけでなく、高い耐火性能を持つ樹脂系のSWPが出てくることを期待している」とした。
残り50%掲載日: 2020年12月1日 | presented by 建設通信新聞