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コロナ禍で公共投資への期待強まる/DX推進にも要望集中/東京都が予算ヒアリング
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>例年、1月に公表する東京都の次年度予算案の編成に向けて、都内のさまざまな業界団体からの要望を聴取するため、小池百合子知事によるヒアリングが実施されている。建設業界からは、これまでに東京建設業協会や都中小建設業協会などが出席したほか、都電設協会、都管工事工業協同組合など水道・下水道関係の団体がヒアリングに参加した。要望の多くに共通するのは、新型コロナウイルスに伴う景気低迷への懸念と、経済を支える公共事業への投資。そしてデジタル化への対応だ。
工事量については団体が例年要望する事項だが、今年度は特にコロナ禍に伴う経済の先行き不安を訴え、工事発注の増加や安定を要請する声が強まっている。
都発注工事では、コロナ対応の一環で一時中止などの措置をとったほか、都住宅政策本部で、一部の工事を2021年度に持ち越すなどの対応をとっている。
都中建の山口巖会長は「工事発注の中止や延期などが多く、経営的には厳しい状況だ」と中小建設業が置かれた苦境を報告、「景気回復への影響力が大きい公共建設投資に例年以上に予算を割り当ててほしい」と訴えた。東建の今井雅則会長も要望の中で20年度を超える額の投資的経費の確保を求めた。
景気低迷への不安は、都水道・都下水道工事の両専業者協会や都電設協なども要望時に示したが、コロナ対応に伴う費用は都にとって重い負担だ。来年度財政について小池知事は「非常に厳しい状況」とくぎを刺した。
ただ、11月に建設局が提出した予算要求では、投資的経費は前年度とほぼ同規模を要求したところだ。特に水道工事は、ヒアリングの中で小池知事が「来年度の水道工事は同規模の工事量を予定している」との方針を明らかにした。
こうした工事量の確保とともに、コロナ禍で関心が高まっているテーマがデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進だ。
DXは、現場を管理する上で必要となる手続き面の効率化につながる。
ヒアリングでは、要望事項にDX推進を明記した東建や建設コンサルタンツ協会関東支部に加え、都中建や東管協組、都電設協などが要望事項に追加してDXへの期待を都側に伝えた。
期待が高まる一方で、DXに対応するツールの導入は中小企業にとって大きな負担となることから、導入費用の支援を求める声も寄せられた。
東建は、ICTを活用した施工管理などの取り組みを実施した際に、導入費用を支援する新たな制度の創設を求めた。都中建は費用補助を訴えたことに加え、導入時に総合評価などでインセンティブを与えることにも言及した。
DX推進に向けた取り組みは、建設局が遠隔臨場の試行を開始するなど、まだ始まったばかりだ。建設業界での普及の加速につながる施策、そのための検討などが実施されるのか、来年度以降の都の対応に注目が集まる。
残り50%掲載日: 2020年12月9日 | presented by 建設通信新聞