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  • 発電プラント/配管、支持装置を最適配置/東芝プラント 3D設計自動化技術

     東芝プラントシステムは8日、発電プラントなどの限られたスペースに配管と配管支持装置を自動で最適配置するための3D設計自動化技術を開発、確立したと発表した。プラント内に配管を通す際の配置(ルーティング)を自動で設計するとともに、配管を支持する装置の位置決め、複数配管時に配管支持をまとめるよう設計を自動で調整できるシステムとなる。「構造計算などの計算作業がなくなり、若手エンジニアによる技術検証も可能で、業務の後戻りを減らすことができる」(同社)ことから、膨大な時間を必要としていた設計作業の効率が大幅に向上し省力化を実現した。

     

     発電プラント内には、水や蒸気を循環させる配管、電力や電気信号を送るケーブルを収める電線管、換気や冷暖房用の空調ダクトなどを数多く配置する。これらは、限られたスペースに顧客の要望やメンテナンス性などを踏まえて配置しなければならない。このため同社は、法令や技術的な規格、製品や部材の仕様などをルール化し、経験豊かなエンジニアが設計ノウハウを駆使して最適な設計を実施することから、膨大な時間が必要だった。

     

     この状況の解決に向け、保有する技術情報やエンジニアの知見をプログラムに集約、AI(人工知能)の活用で、3D空間の中で最適な設計を自動化するシステムを開発し、設計業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現した。

     

     配管ルートは、配管の口径や材質などの仕様、運転・メンテナンス上の留意事項など、要求機能を踏まえた上で自動設計する。最短ルートや他の設備と配管との間隔確保、配管の勾配設定、複数の配管の集中配置など、要求事項を踏まえ最適な配管ルートを導き出す。エンジニアが配管の始点と終点を指定し、口径や材質などの仕様を選択すれば最適な配管ルートを自動生成する。要求事項の優先度はエンジニアが任意に選択できる。

     

     配管指示装置も、配管ルートの自動設計と並行して、プラント稼働中に配管にかかる力と耐震基準を満たすために必要な強度などを計算し、配管支持装置の設置位置と構造を自動設計する。

     

     システムを使えば、従来膨大な時間が必要だった設計条件の適合性確認作業などが不要となる。エンジニアはさまざまな技術的な評価、重要な判断に向けた検討に集中でき、設計品質の向上につながる。

     

     また、若手エンジニアでもシステムに取り込んだ経験豊富なエンジニアの知見に触れる機会が生まれ、効率的な技術継承ができ、技術者不足対策にもなる。

     

     同社は既に発電所の改修案件にこのシステムの適用を始めている。

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    掲載日: 2020年12月9日 | presented by 建設通信新聞

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