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CCUS/地域全体で一斉導入群馬建協沼田支部/青柳会長「まずスタートラインに立って」/事業協同組合が費用拠出
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>建設キャリアアップシステム(CCUS)を地域全体で一斉導入--。群馬県建設業協会沼田支部は、支部会員21社すべてがCCUSに事業者登録することを理事会で機関決定した。実現に向け、支部会員全員で運営する利根沼田建設事業協同組合が、登録料とカードリーダー設置費用などを拠出する。現時点で登録が完了しているのは5社だけだが、組合が直接支援することで費用面の課題を一気にクリア。どの元請企業の下で仕事をしても就業履歴を蓄積できるなど、CCUSの“主役”たる技能者にとって重要な素地となる、地域ぐるみでの運用体制の構築を目指す。
沼田支部長、同組合理事長も務める群馬建協の青柳剛会長は「地域からのボトムアップでCCUSの普及・定着につなげたい。いまだにいろいろと意見はあるようだが、まずはスタートラインに立ち、実際にやってみてから課題やメリットを整理し、議論をしていこうということだ。利根沼田地域の取り組みを“模型”として見せることで、ほかの地域にも広がれば」と狙いを語る。一定の地域全体で域内の元請各社が歩調を合わせ、一斉にCCUS登録するのは全国初の事例とみられる。
全会員の事業者登録は、11月17日に開いた支部理事会で決めた。会員企業の事業者登録料とカードリーダー設置費用を事業協同組合が拠出するほか、下請企業負担分を含め、運用時にかかる利用料の一部も補助する。既に登録済みの企業についても、さかのぼって費用を支払う。
今回の試みは、利根沼田地域全体で就労環境を改善し、技術者・技能者の入職促進と定着率向上を図るのが目的。職人の処遇改善や明確なキャリアパスの提示、施工能力の見える化などにつなげる。事業者登録完了後は、各社が国や県のCCUS活用モデル工事などに積極的にチャレンジし、運用実績を積み重ねる。
「この間の新型コロナウイルスへの対応では、マイナスの影響を押しとどめることに終始してきたが、働き方改革の実現を含め、そろそろプラスに働く前向きなことをやりたいと思っていた。時間をかけながらでも、地域での処遇改善や雇用拡大につなげていきたい」と青柳会長。今回の先進事例を起爆剤に、地域ぐるみで新3K(給料・休日・希望)の実現へと歩む。
取り組みに当たっては、協会本部と支部の事務局が一体となって、登録・運営に関する情報提供などを実施。支部が運用状況の継続的な把握や改善点の整理などを行う。さらに、高校や専門学校、大学などに対し、地域全体でCCUSの活用に取り組んでいる状況を積極的に広報する。
国土交通省の青木由行不動産・建設経済局長は「地域全体での取り組みはCCUSの普及に大変意義がある。地域の専門工事会社や技能者へのメッセージとしても大きい」と高く評価。さらに「普及が進めば行政や発注者としても、モデル工事など実施できる施策の幅が広がり、官民でのスパイラルアップ効果も期待できる」と見据える。また、「学校への広報にも感銘を受けた。今回の件を含め、いくつかの取り組みが合わさることで、魅力的なストーリーとして新3Kを訴えることができる」と展望している。
残り50%掲載日: 2020年12月15日 | presented by 建設通信新聞