建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
熊谷組/小断面T対応積込みシステム/処理能力が大幅に向上/遠隔操作で作業員支援
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>熊谷組は、小断面トンネルの施工に特化した施工機械の開発プロジェクト「Kumagai Innovative Tunnel Project」の取り組みとして、ずり出し施工に使う遠隔操作対応型の積み込みシステムを開発した。処理能力を大幅に向上させた点が特長だ。15日に茨城県つくば市にある技術研究所で模擬トンネルを用いた一連の作業を公開した。
幅2600mm程度の小断面トンネルの施工を想定して開発した積み込みシステムは、破砕された岩ずりの積み込み機と、それを後方の運搬機に送り込むための鋼車積込搬送機(トレンローダ)、積み込んだ岩ずりを坑外に運ぶ専用の鋼車運搬機(スライド式)で構成する。
一連のシステムとして各施工機械を“同時製作”することで、積み込み搬送での処理能力の大幅アップ(作業速度の向上)を実現。多様な現場条件にも柔軟に対応できる施工性を両立させた。
積み込み機の能力を、このクラスで一般的な積み込み機の約2倍となる1時間当たり150m3にアップさせたことで生産性(作業速度)を倍増。オペレーターによる遠隔操作を支援する「遠近距離可視化ガイダンスシステム」を搭載した。
モニター画面に映し出される岩ずりまでの距離を色分け表示するガイダンスシステムによって、映像での判断が難しい“奥行き”をオペレーターが視覚的に把握。遠隔操作でありながら、よりスムーズな操作を促すことができる。
最新の技術を取り込んだこれらの小断面トンネル施工機械の開発は近年、活況を呈す水力発電所の導水路工事(小断面の山岳トンネル工事)に適用するのが狙い。
同社は、こうした需要に対応するレール工法施工機械の老朽化が進むなど、施工能力が十分とは言えない状況にある点に着目。作業能力を引き上げるだけでなく、遠隔操作の導入など切羽からできるだけ人を遠ざけることを基本コンセプトとして、小断面トンネル施工の安全性の向上と作業環境の改善を目指す。
新たに開発した積み込みシステム(ずり出し) に現在、開発を進めている一体型吹き付け機 (吹き付けコンクリート)や1ブームドリルジャンボ(削孔)、 爆薬遠隔装填装置(爆薬装填) を合わせた独自の“小断面トンネル施工機械群” を構築していく。
2021年度に小断面トンネル施工の生産性と安全性の向上、作業環境の改善に役立つ「KITプロジェクトシステム」として実際の現場への導入を予定。次世代トンネル技術として今後の積極的な展開を狙う。
残り50%掲載日: 2020年12月17日 | presented by 建設通信新聞