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風力発電/脱炭素化の潮流に対応/三井住友建設、Mammoet社と共同開発
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【200m級、大型化に布石】
三井住友建設は、オランダのMammoet社と共同で近年、発電出力の大型化が求められている風力発電をターゲットに200m級タワーと、その架設機械の開発に乗り出す。将来的に欧州の基準に詳しい設計コンサルタントとの協働も予定。橋梁の建設などで蓄積してきた技術力を応用することで、世界的に需要の拡大が見込まれる脱炭素化の動きに対応していく方針だ。
欧州連合(EU)に続き、日本政府が表明した2050年のカーボンニュートラル(CO2排出量の実質ゼロ)達成などを背景に世界的な脱炭素化へのニーズに的確に対応していくべきと判断した。
とりわけ次世代の再生可能エネルギーの主役と位置付けられる風力発電は、陸上から洋上へと舞台を移しながら、ますます発電機(発電出力)の大型化が進展。大型クレーンでの施工を前提に100m前後のタワーが主力だった従来の対応から、新たに200m級のタワー構造の開発が急務となっている。
特に200m級のハイタワーになると、重量物であるナセル(風力発電の頭部に位置する増速機、発電機、ブレーキ装置などを格納した容器)や長尺のブレードを既存のクレーンで架設することが難しいため、三井住友建設の特許技術であるセルフクライミング工法を軸に専用の架設機械の開発を進める。
タワー部材としてのコンクリートあるいは鋼とコンクリートのハイブリッド構造の優位性にも着目。今後の進展が見込まれる200m級に対応するタワー構造の開発に取り組んでいく方針だ。
セルフクライミング工法は、部材を架設機械で吊り上げながら、クレーンで架設できる初期の段階でナセルを頂部に抱えて建設していく仕組み。
クレーンでの一括架設が可能な高さのタワーであっても、大きなコストを占める大型クレーンを使用しないことで、施工に要するコスト競争力を持つことができるという。
新設プロジェクトだけでなく、既存の陸上風力発電のリニューアルにも適用できることから、同社にとって世界的な脱炭素化の動きや市場ニーズに対応していくための大きな“武器”になりそうだ。
残り50%掲載日: 2021年1月12日 | presented by 建設通信新聞