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  • 2021年業界を読む・建設機械

    【自動化、電動化など加速/中国市場の需要動向注視】

     

     グローバルに事業展開する建設機械メーカー各社にとって、2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響で建設機械の需要は中国を除き大幅に減少し、厳しい年になった。21年も新型コロナ感染拡大により先行き不透明感が強い中で、より変化に対応した事業展開が求められる。

     

     需要が好調な中国市場については「供給過多の反動は必ず来ると思っている。20年度をピークとして若干厳しい状況が来るのではと予想している」(小川啓之コマツ社長)と慎重な見方を示す。20年は、コロナ禍の影響により2-3月の春節の時期は落ち込み、4-5月にずれ込んだ。ことしの春節と合わせて年度の中で2回春節が来る形になる。21年度は例年どおり春節が1回になることが見込まれるため、「今年度に比べて、そう大きく伸びるとはみていない」(平野耕太郎日立建機社長)と話す。コベルコ建機の尾上善則社長も「横ばいか、場合によっては落ちるだろう。大きく増加することはないのではないか」と語り、今後の需要動向を注視する。

     

     また、中国メーカーの台頭については「非常に脅威だ。中国市場での価格攻勢が非常に厳しい」(平野社長)、「比率が上がってきて、価格も下がっている。中国市場におけるビジネスが一段と厳しくなっている」(尾上社長)と危機感を募らせ、日本メーカーとして対抗措置を講じる必要性に迫られている。

     

     一方、21年の建設機械業界は自動化、電動化、ICT化の流れが一段と加速しそうだ。自動化についてコマツは、秋田県東成瀬村で建設が進む成瀬ダム(発注者=国土交通省東北地方整備局) で20年7月からブルドーザーの稼働を始めた。「本格的な自動化施工が始まるのはことしからだ」(小川社長)とし、 鹿島が開発した建設機械の自動化施工システムと協調できる機能を持ったハードを提供して「ゼネコンと一緒になって、自動化施工を進めていく」考えだ。

     

     電動化について日立建機は、ドイツで2tと8tクラスの油圧ショベルの開発を進めている。「台数はまだ20-30台の規模だが、8tの方は既に販売を始めている」(平野社長)という。日本で開発を進めているのは5tクラスで「ことし当たり、試験的に顧客に使っていただくことはあるかもしれない」(同)としている。

     

     ICT化については、コベルコ建機が「ホルナビ」をさらに浸透させるとともに、遠隔操作建機「K-DIVE CONCEPT」の早期のビジネス化を目指す。K-DIVE CONCEPTについては「『近距離』『遠距離』『ホルナビプラスK-DIVE CONCEPT』の3つを同時に走らせている。一番早くできそうなのが近距離だ。100-200mの距離の通信はほぼ実証段階に入っている。1、2年後には実用化の段階に持っていきたい」(尾上社長)と意欲を示す。
    (川合秀也)

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    掲載日: 2021年1月19日 | presented by 建設通信新聞

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