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鉄骨梁“横座屈”防止/熊谷組 床スラブの拘束効果利用/補剛材を省略、施工性アップ
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>熊谷組は、床スラブによる鉄骨梁への拘束効果(補剛効果)を利用して横座屈補剛する「熊谷組鉄骨梁横座屈補剛工法」を開発した。床スラブによる補剛効果を積極的に評価することで、鉄骨梁の横座屈現象を防ぐために必要だった補剛材や方杖を省略できる点が特長。補剛材として使う2次部材の削減や施工性の向上など、設計・施工の合理化に役立つ。
鋼構造の建築物に使用されるH形断面梁(鉄骨梁)は、大きな荷重が作用した際に水平方向(横方向)にはらみ出す横座屈と呼ばれるような現象を起こすことがある。
横座屈を防ぐ方法として、小梁や方杖といった補剛材を設置する「保有耐力横補剛」が建築基準法で規定されているが、床スラブによる鉄骨梁への連続的・断続的な拘束が横座屈を抑制する効果を持つことに着目。床スラブによる補剛効果を利用することで、補剛材を省略できる設計・施工法を開発した。
頭付きスタッドなどシアコネクタと呼ばれる接合部材を使って鉄骨梁と床スラブを一体化(合成化)させることで、既往の研究や実験によって広く知られている床スラブによる鉄骨梁への補剛効果を積極的に評価。床スラブの補剛効果を盛り込んだ設計手法を確立した。
この工法で設計された鉄骨梁は保有耐力横補剛を満たす梁部材として扱うことができる。H形鋼の大梁であれば、高炉材や電炉材といった製品・メーカーの違いによらず適用が可能という。
2020年3月に日本ERIの構造性能評価を取得済み。既に川崎市で施工を進める「ESR川崎夜光ディストリビューションセンター」と、住友商事の「レンゴー淀川工場跡地開発計画(SOSiLA大阪/レンゴー淀川流通センター」(大阪市)の2件の新築工事に適用している。
より合理的に鉄骨造の建築物の設計・施工を進めることができる工法として、今後も物流施設だけでなく、商業施設やオフィス、宿泊施設などさまざまな用途で積極的に適用していく方針だ。
残り50%掲載日: 2021年1月29日 | presented by 建設通信新聞