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  • 竹中工務店/手術エリア 吊り下げ免震/機器転倒防ぎ医療継続

     竹中工務店は、吊り下げ式免震構造により病院の手術室や器材室を一体で免震化する「手術エリア免震システム」を開発した。天井、壁、床を一体で免震化するため、医療機器の転倒といった室内被害を防ぎ、地震後の医療継続を可能にする。建物全体の免震化と比べコストを抑え、短工期で導入できる。今後は中小規模の民間病院などを中心に提案を進めていく。 これまで手術エリアの免震化には建物全体の免震化や、部屋の床のみを免震化する方法が一般的だった。しかし、建物全体の免震化は中小規模の病院にとって経済効率が悪かった。床のみの免震化は、地震発生時に医療機器や器材が壁と接触して転倒することを防ぐため、揺れ幅分の外周部床上を空ける必要があり、部屋全体の有効活用が難しかった。また、壁と床の間に隙間が生じるため、手術室の気密性を損なうことも課題だった。

     

     手術エリア免震システムは手術室と、隣接した器材室も含めた手術エリアの床、壁、天井を一体的なフレーム構造として天井内に設置した免震装置から吊り下げる。一体構造となっているため、地震発生時も医療機器の転倒・破損、天井、仕上げ材の損傷などの室内被害を防ぎ、発災後の医療継続を可能にする。さらに手術室の気密性も確保する。

     

     床の免震化では、床下に免震装置を設置するための500-600mmの空間が必要でスロープの設置も困難だったが、開発したシステムでは免震装置を天井内に収めるため、免震対象エリア外との床段差を約180mmに抑える。

     

     延べ約1万2000㎡の病院でシステムを導入する場合、建物全体の免震化改修と比べ、コストを約20-25%に抑えられる。システムの導入により8m×6mの手術室で外周部床上40cmを使えるようになると、部屋全体で約20%を有効活用できる。

     

     今後は中小規模の民間病院などで提案を進め、学校の研究施設やクリーンルームなどへの応用も目指す。

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    掲載日: 2018年3月9日 | presented by 建設通信新聞

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