建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
戸田建設/シールド工事のセグメント組立/ワンパス型継手を適用/高い締結力で一体性向上
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>戸田建設は、シールドトンネル用セグメントの組み立てに使う新たなワンパス型継手「ハイグリップアンカー(HGA)継手」を同社が施工するシールド工事に適用した。組み立て時間の短縮といった作業効率の向上だけでなく、特長である高い締結力によって品質の向上が期待できる。今後も工期短縮やコスト低減が図れる技術として、積極的な現場適用を狙う。
日本ヒュームと開発した「HGA継手」は、トンネル軸方向にセグメントを押し付けることで、セグメントリング間の締結を可能とするワンパス型の継手。受け入れ部と軸部材(短冊部・ねじ切り部)、軸部材を拡張するためのコーン部、セグメントに固定するための定着筋(異形鉄筋)で構成する。
トンネル軸方向にセグメントを押し付ける際に軸部材の先端(短冊部)に円錐形のコーン部を装着。スリット加工が施された短冊部にコーン部が押し付けられることで軸部材の先端が拡張して高い締結力を実現する。セグメント間の一体性の向上が図れるという特長がある。
実際にセグメントリング間の引き抜き力に対する抵抗力が高い(既存の継手の1.5倍から2倍)ことから、施工の際や地震による大きな作用に対してもトンネルのリング間に隙間が生じにくい。締結してすぐに抵抗力が発現するため、組み立て後に生じやすいわずかな緩みを防げる。
ボルトの締め付け作業が不要となるため、施工の自動化・効率化に有用なだけでなく、ボルトを入れる箱抜き部をふさぐ作業など従来のボルト締結で多大な時間を要していた後施工の省略など、組み立て時間や工程の短縮、コストの低減を図れるメリットがある。
シールドトンネル用セグメントの組み立ては、これまでボルト・ナットによる継手が使われてきたが、組み立て時間の短縮など施工の効率化を目的に、ボルト締結の代わりにトンネル軸方向にスライドさせるだけで組み立てられる各種のワンパス型継手が開発されてきた経緯がある。
一方で、ワンパス型継手は施工時の荷重や地震による外部荷重で継手の締結が緩むなど、セグメントリング間に隙間が生じた場合、トンネル内に漏水が発生するリスクもあるため、同社はセグメントリング間の引抜抵抗力の強化を目的にとした新たなワンパス型継手として「HGA継手」の開発を進めていた。
残り50%掲載日: 2021年3月1日 | presented by 建設通信新聞