建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
連載・人事戦略2021(2)設計事務所
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【新卒採用 5割が前年比で増加/設備、デジタル人材に不足感】
日刊建設通信新聞社が実施した人材採用調査に回答した建築設計事務所21社のうち、4月の新卒採用者数は全体の約5割を占める10社が前年実績を上回った。15社が「予定どおり確保できた」、4社が「予定枠の確保に苦労した」、1社が「最終的に予定枠を確保できなかった」と回答している。全体の約7割に当たる14社が「人材不足を感じている」と回答し、設備系やデジタル関連人材の不足を指摘する声が目立つ。
調査は1月12-29日にかけて実施。4月の新卒採用については、IAO竹田設計、日立建設設計、安井建築設計事務所、山下設計が「予定枠の確保に苦労した」と回答。日立建設設計は「コロナ対応で採用活動が出遅れた」としている。
「予定どおり確保できた」と回答した事務所でも「オンライン面接など、コロナ禍に即した採用活動に切り替える対応に追われた」(NTTファシリティーズ)、「コロナ禍での採用活動だったため内定通知から承諾までが短かった」(あい設計)など、新型コロナウイルス感染症の流行が採用活動に影響を及ぼしている。
人材不足を感じている分野では設備を挙げる回答が目立つ。「設備設計職や都市計画職はそもそも母数が少ない」(INA新建築研究所)、「設備設計分野そのものを志向する学生が極端に減少している傾向に多くの影響があると思う」(佐藤総合計画)、「電気系、デジタル系は、企業からの需要が高い分野であることもあり、志望者が少ない」(日建設計)などの声が上がっている。
今後採用を増やす予定の分野(複数回答)は、意匠、構造がともに6件、設備が12件、都市計画が3件、その他が8件で、設備分野の増強を目指している事務所が多い。その他で「コンサル部門」を挙げた三菱地所設計は、「業務拡張に伴う戦略的採用」と回答している。また、「ICT人材」とした安井建築設計事務所は、その理由について「BIM推進、建築データ整備、働き方改革のICTインフラ整備など」と回答している。
21年度の初任給や基本給、賞与などの引き上げについては、INA新建築研究所、昭和設計、東畑建築事務所、日総建の4事務所が「既に実施を決めた」、石本建築事務所、松田平田設計が「検討している」と回答。日総建は「初任給1万1800円アップの予定」としている。
中長期の採用見通しでは、新型コロナの影響によって今後の経済情勢に不透明感が漂う中、新卒については17事務所、中途は14事務所が「現状維持」と回答し、新卒、中途を「増やす予定」とした事務所はゼロだった。NTTファシリティーズ、昭和設計、日建設計は新卒、中途とも「採用者数は減らす予定」と回答した。
22年春入社の新卒採用活動では、回答のあった20事務所すべてが会社説明会や面接など、何らかの形でオンラインシステムを採用するとしている。オンラインのメリットとしては、「遠方・地方の応募者にもアプローチができ、ターゲットが拡大できる」「時間と費用の削減」「新型コロナウイルス感染リスクの防止」を挙げる事務所が多い。一方、デメリットでは、「職場の雰囲気を伝えづらい」「応募者の印象を正しく把握しにくい」「システム通信の不具合」といった声が上がる。ウィズコロナの採用活動は従来方式から大きく様変わりしている。
(岡部敦己)
建築設計事務所の新卒・中途採用状況
*単位は人数。新卒は該当年4月採用で、カッコ内は技術系。
中途は該当年度で、技術系と事務系の総数。「-」は未定または回答なし。
NTTファシリティーズの技術者総数は電気系を含む残り50%掲載日: 2021年3月1日 | presented by 建設通信新聞