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  • 連載・人事戦略2021(6)/メーカー

    【新卒採用 7割弱12社で減少/中長期的な採用計画は維持】

     

     日刊建設通信新聞社が実施した人材採用調査に回答した建材、オフィス家具、建機、セメントのメーカー18社のうち、2021年4月の新卒採用者数が20年4月の実績を上回ったのは3割弱の5社、下回ったのは7割弱の12社となった。18社の新卒採用者合計は1576人で、前年から17.0%減少した。

     

     調査は1月12-29日にかけて実施した。4月の新卒採用者の状況は、9社が「予定どおり確保できた」、4社が「予定枠の確保に苦労した」、5社が「最終的に予定枠を確保できなかった」と回答した。「予定どおり確保できた」と回答した9社の中にも、「応募数などは想定どおり進んだが、入社意思の確定に苦戦した」(積水化学工業)、「緊急事態宣言の発令などにより選考スケジュールや形式の見直しをすることとなり、例年以上に難しさを感じた」(内田洋行)など、対応へ苦慮したとの声があった。

     

     中長期の人材採用計画は、7割超の13社が新卒・中途採用ともに「現状維持」と回答した。新卒採用は、元旦ビューティ工業が「増やす予定」、コベルコ建機、三菱マテリアル、宇部興産が「減らす予定」とした。コベルコ建機と宇部興産は、中途採用も「減らす予定」としたのに対し、三菱マテリアルは「増やす予定」とした。「減らす予定」または「増やす予定」としたメーカーも、理由を「会社分割、事業統合など、組織改変による減」(宇部興産)として、中長期的な採用計画を変更する動きは見られなかった。

     

     22年春入社の新卒採用活動では、回答した18社すべてが会社説明会、インターンシップ、面接など複数の段階でウェブを活用している。不二サッシは最終面接、元旦ビューティ工業は役員面接と、採用活動の終盤までリモートシステムを活用するという回答もあった。

     

    4753メーカーの新卒・中途採用状況
    *単位は人数。新卒は該当年度の4月採用数で、カッコ内は技術系。
    中途は該当年度が対象で、事務系と技術系などの総数。「-」は未定または無回答。
    コベルコ建機の採用数は総合職のみ記載。
    YKKAPの採用数は全国採用・事業所(地域)採用を含むグループ全体で、中途採用は全国採用(全国転勤可能な者)のみ

     

     21年度の初任給や基本給、賞与などの引き上げは、11社が「検討していない」、4社が未定とした。「検討している」と回答したのが不二サッシ、 キャタピラージャパンの2社で、 ほかに元旦ビューティ工業は「21年度4月入社から初任給を5000円アップ」とした。20年に実施した人材採用調査では、18社中13社が引き上げを 「検討している」と回答したことに比べ、賃金引き上げの流れは大きく減じた。

     

     柔軟な働き方に対応するための社内制度として、テレワークを12社、在宅勤務を18社すべて、フレックス制度を13社が導入済みと回答した。導入済みの企業の中でも、21年度から導入または検討中の制度として「テレワーク、フレックス制度を全体に拡大する」(積水化学工業)、「フレックスタイム制のコアタイム廃止など、より柔軟な働き方ができる制度を継続して検討」(コマツ)、「一定期間転勤を伴う異動を行わない『エリア総合職』の新設」(三菱マテリアル)を挙げ、制度の改良を進める。

     

     定年の延長は、積水化学工業、コマツ、コベルコ建機が21年度に導入すると回答した。さらにTOTO、YKKAP、三和シヤッター工業、キャタピラージャパンが検討中とした。選択定年制や予定も含めると、定年を65歳以上とすると回答したのは、YKKAP、オカムラ、コマツとなった。

     

     メーカーの人事戦略は、採用活動におけるウェブ活動を除けば、既存の計画の維持や制度の拡充が主となった。中長期の計画を、ウィズコロナによる状況の変化の中で、どのように実現するかが課題となっている。

    (川村将貴)

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    掲載日: 2021年3月5日 | presented by 建設通信新聞

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