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  • 4月からこう変わる 行政編 /担い手確保・育成へ新制度スタート

     あすから2021年度がスタートする。建設業法の改正に伴い再編した新たな技術検定など担い手確保・育成の視点に立った施策や建築物省エネ法などに対応した環境・健康施策が始動する。

     

    ■技士補創設で新技術検定

     

     技術検定は、学科、実地の両試験を経て、1級または2級の技士となる現行制度から、施工技術のうち、基礎となる知識・能力を判定する第1次検定、実務経験に基づいた技術管理、指導監督の知識・能力を判定する第2次検定に改める。第1次検定の合格者には技士補、第2次検定の合格者には技士をそれぞれ付与する。

     

     再編による経過措置として21年3月31日までに1級または2級の学科試験に合格し、学科試験の免除を受けている者は、その免除期間内に限り、第1次検定を免除する。

     

    ■経審・審査基準を見直し

     

     経営事項審査は、技術者・技能者の継続的な能力研さんを促す観点から、「知識および技術または技能の向上に関する建設工事に従事する者の取組の状況(W10)」を新設。所属する技術者のCPD(継続能力開発)の取得状況と技能者の建設キャリアアップシステム(CCUS)に基づく能力評価基準での取り組み状況に応じて加点評価する。

     

    ■発注者指定型の対象拡大

     

     建設業への時間外労働の上限規制適用を見据え、21年度から段階的に発注者指定型の対象を拡大する。従前、本官工事(地方整備局発注工事)の一部と分任官工事(出先事務所発注工事)の大部分は受注者希望型で発注しているが、21年度には本官工事の全工事と分任官工事の半分を発注者指定型で公告する。現場閉所が困難な維持工事などで19年度からモデル工事を開始した交代制週休2日工事も、21年度から発注者指定型を導入する。

     

    ■建コンなど登録申請簡素化

     

     建設コンサルタントと地質調査業者、補償コンサルタントが登録申請時と事業年度ごとに提出する書類の簡素化措置の適用が始まる。建設コンサルタントと地質調査業者の法人事業者に対して求めている財務に関する書類計18枚(補償コンサルタントは16枚)を改定・廃止し、新たに定める一覧表1枚に集約する。

     

     一覧表に貸借対照表と損益計算書を添付する形式にすることで、事業者の事務負担を軽減する。新様式に改正した後にも、旧様式を使用できる経過措置を設けている。

     

    ■CCUS登録が2申請方式

     

     CCUSは、技能者登録が基本情報の登録のみでカードを発行する「簡略型登録」と、保有資格情報などを登録する「詳細型登録」の選択方式となる。簡略型の登録料は、現行の技能者登録料と同額の2500円、詳細型は4900円。簡略型で登録後に追加で2400円を支払うことで、詳細型への変更も可能だ。

     

     簡略型では技能者の個人情報や所属事業者、社会保険などの加入状況など7種類の項目を登録する。詳細型は簡略型の登録項目に加えて、技能者の労災保険や健康診断、保有資格、研修の受講履歴、表彰履歴などさらに7種類の項目を登録できる。建設技能者の能力評価制度(レベル判定)の申請には保有資格情報などが必要となるため、詳細型が必須となる。

     

    ■建築物省エネ法が全面施行

     

     19年5月公布の改正建築物省エネ法で規定した措置が全面施行となる。省エネ基準適合義務の対象範囲が広がり、床面積の合計が300㎡以上の非住宅建築物で、建築確認の要件に省エネ基準への適合が加わる。

     

     非住宅建築物と住宅で床面積の合計が300㎡未満の小規模な物件の設計時に、省エネ基準への適合可否などを建築主に書面で説明することを建築士に義務付ける制度も始まる。

     

     省エネ基準だけでは省エネ性能の確保が困難と認める場合、自然的・社会的条件の特殊性に応じて地方自治体が条例を制定し、省エネ基準を強化することも可能になる。

     

    ■石綿含有建材の規制強化

     

     改正大気汚染防止法と改正石綿障害予防規則など、環境省と厚生労働省が所管する法令の施行により、建築物の解体・改造・補修作業に伴う工事で、石綿含有建材の規制を強化する。

     

     改正大防法で規定した措置のうち4月1日施行分は、石綿を含有するすべての建築材料を法の規制対象とする。隔離などを実施しないで石綿を除去した施工者には、直接罰を適用する。事前調査に関する記録は、工事終了後3年間の保存を義務付ける。

     

     厚労省関係では、工事開始14日前までの提出を義務付ける計画届の対象に、レベル2建材の作業を追加する。事前調査結果の3年保存は、石綿障害予防規則でも施工者に義務付ける。

     

    ■改正粉じん則が施行

     

     厚生労働省の改正粉じん障害防止規則と改正労働安全衛生規則が施行され、最新の知見に基づいて、トンネル建設工事の施工に当たって必要な措置の合理化などが講じられる。

     

     新たな措置は、トンネルの切羽に近接する場所を対象に、半年以内ごとに1回の頻度で粉じん中の遊離けい酸含有率を測定し、その結果を7年間保存することを施工者に義務付ける。測定結果に応じて、換気装置の風量増加や、有効な電動ファン付き呼吸用保護具を労働者に使用させることも義務化する。

     

    ■70歳までの就業機会確保

     

     厚労省の4月からの主な制度変更のうち雇用・労働関係では、労働施策総合推進法によって、常時雇用する労働者が301人以上の企業に対して、「正規雇用労働者の採用者数に占める正規雇用労働者の中途採用者数の割合」の公表を義務化する。

     

     また、改正高年齢者雇用安定法の施行で、すべての企業を対象に、65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置実施の努力義務を課す。企業は定年引き上げや継続雇用制度の導入、定年廃止、継続的に業務委託契約する制度や社会貢献活動に継続的に従事できる制度といった就業支援措置のいずれかを導入していくことになる。

     

     パートタイム・有期雇用労働法に基づく「同一労働同一賃金」は、20年4月の大企業に続き、中小企業でも4月から正社員と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者)との間の不合理な待遇差を禁止する。

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    掲載日: 2021年3月31日 | presented by 建設通信新聞

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