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  • 連載・建設キャリアアップシステム(1)始動

    【技能者の経験を見える化/普及が進んでこそ効果発揮/問われる業界の本気度】

     

     今秋の運用開始へ、5月から技能者・事業者の登録申請を本格化させる『建設キャリアアップシステム』。技能者が持つ資格や経験といった情報を業界統一のルールで蓄積していく、このデータベースの最大の特徴は、それぞれの技能者のスキルや経験を客観的に“見える化”することにある。技能の見える化は、建設産業に何をもたらすことになるのか--。 建設キャリアアップシステムは、それぞれの技能者が保有する資格や就業の履歴、社会保険の加入状況といった情報を業界統一のルールで登録・蓄積していく仕組み。

     

     現場での経験を積み重ねるごとに自身のデータが蓄積されていくことになる技能者や、その技能者が所属する専門工事企業にとっては、自身のキャリアや、企業としての施工力を対外的に証明するための“評価ツール”という位置付けにもなる。

     

     技能者の力量や、キャリアパスの道筋を見える化することは、結果として、技能や経験に見合う賃金の支払いなど、最大の課題となっている技能者の処遇の改善につながっていく。一方の専門工事企業にとっては、企業としての施工力をアピールすることができる1つの材料になるというわけだ。

     

     利用は、登録申請(所属する事業者による代行申請も可能)を出発点に、運営主体(建設業振興基金)などが運転免許証の写しなどで本人であることを確認して登録。それぞれの技能者に固有のID番号と、顔写真が印刷されたICカード(建設キャリアアップカード)を発行する流れ。

     

     事業者も同様に建設業許可の通知書など証明書類を添えて登録を申請。一連の審査を経て、事業者IDが付与される仕組みだ。

     

     現場を開設した元請事業者はプロジェクト名などの現場情報をシステムに登録。現場にカードリーダーを置く。

     

     技能者が、そのカードリーダーに固有のICカードをかざすことで、「いつ」「どの現場に」「どの職種・どの立場で働いたのか」といった日々の就労履歴が記録・蓄積されていく。

     

     この仕組みは情報が蓄積されることで成り立つ。逆説的に言えば、技能者や事業者の登録・利用が進まなければ、その効果は発揮されない。

     

     例えば、システムを利用しているAという事業者の現場で就労履歴を蓄積することができたのに、次に働いたBという事業者がシステムを利用していなければ、結果として就業履歴に“穴”が空く。継続して就業履歴を記録できなければ、せっかく持っている固有のICカードも宝の持ち腐れとなってしまう。

     

     その点で言えば、国土交通省が建設産業における新たな“制度インフラ”に位置付ける、このシステムの命運を握るのは業界全体への「普及」ということになる。技能者の処遇の改善と、その先にある担い手の確保へ、業界の本気度が問われていることは言うまでもない。

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    掲載日: 2018年4月2日 | presented by 建設通信新聞

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