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  • 大手建築設計事務所/時短・在宅勤務が拡大/働き方改革推進、業績評価で課題も

     多様な人材の活躍を後押しする職場環境の整備が、大手建築設計事務所で定着してきた。環境改善策を検討する社内組織を立ち上げ、在宅勤務や半日休暇制度を試行したり、人工知能(AI)やロボット技術で業務の合理化を模索したりする企業が増えている。発想力が問われる建築設計の仕事は単純に勤務時間で成果を測れないため、就労環境改善に取り組む上で勤怠管理や業績評価に工夫が必要との声もある。

     

     政府が主導する働き方改革が3年目に入り、建築設計事務所でも、残業・休日出勤の抑制や在宅勤務の拡大など、働く時間と場所にとらわれない自由な働き方を促す動きが本格化している。日刊建設工業新聞社が主要15社に行った「採用・人材戦略に関するアンケート」で、時短や在宅勤務、出産・育児休暇拡大などの勤務・雇用形態見直しに着手する企業が増加していることが分かった。

     

     勤務環境改善の取り組みで多いのは、▽有給休暇の計画的取得促進(日建設計、梓設計、安井建築設計事務所)▽フレックスタイム制度の導入(日建設計、三菱地所設計)▽在宅勤務導入・拡大(日本設計、梓設計、日立建築設計、石本建築事務所)▽働き方改革検討組織の設置(日本設計、東畑建築事務所、日立建設設計)-など。

     

     休日の増加や労働時間の短縮を目指し、新たな制度を導入する動きが顕著になっている。職場内の自席を固定しないフリーアドレス制度を導入したり、職員にノートパソコンを貸与し、社外での作業を奨励したりする動きも広がりつつある。

     

     AIやRPA(ロボットによる業務自動化)などICT(情報通信技術)を業務改善に生かす動きも目立つ。主な取り組みでは、▽インターネット・テレビ回線で社内会議を合理化(久米設計、石本建築事務所、三菱地所設計〈検討中〉)▽単純業務にRPAを導入(三菱地所設計〈検討中〉、石本建築事務所)-などが挙がっている。

     

     人手不足解消と業務効率化によるコスト削減が求められる中、人力で行っている帳簿作成などの作業をRPA、AIで効率化する動きは今後も拡大すると見られる。自動化が可能な業務はRPAやAIに移行し、斬新なアイデアを具現化する創造的な作業に、社員の労力を振り向けられる体制づくりを目指す。

     

     大手企業を中心に時短勤務が浸透する一方で、独自のアイデアとセンスが問われる建築設計界には、「設計は創造的な作業であり、就寝前後などにアイデアを思いつくことも多く、勤務時間の線引きが難しい」(六鹿正治日本建築家協会会長)などの声も根強い。

     

     設計界では労働時間と業務成果が必ずしも連動しないため、働き方改革を進める上では、一般企業とは異なる雇用の枠組みやアウトプットを最大化する評価手法の工夫が求められそうだ。

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    掲載日: 2018年4月4日 | presented by 日刊建設工業新聞

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