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  • 人に寄り添う橋デザイン、パイオニアの足跡たどる/竹中育英会とギャラリーエークワッド

    【大野美代子BRIDGE展シンポ】

     

     竹中育英会とギャラリーエークワッドは6日、東京都江東区の竹中工務店東京本店でシンポジウム「大野美代子がデザインしたもの」を開いた。大野氏と生前に交流のあった内藤廣東大名誉教授と篠原修東大名誉教授、大日本コンサルタントの松井幹雄経営企画部長がてい談。プロダクトデザイナーとしてキャリアをスタートし、東京・板橋に1977年竣工した『蓮根歩道橋』を皮切りに、人の身体や気持ち、行動に寄り添いながら、街のランドマークとなり、風景に溶け込む優れた橋梁デザインを数多く手掛け、土木の世界に風穴を開けたパイオニアとしての大野氏の足跡をたどり、その仕事の意義を再評価するとともに、それを可能とした人間力を論じた。

     

     ギャラリーエークワッドで25日まで開かれている展覧会「BRIDGE-大野美代子の人と人、街と町を繋ぐデザイン-」の関連イベントで、冒頭あいさつした白川裕信ギャラリーエークワッド館長は「96回目の企画展となるが、橋にフォーカスしたのは今回が初めて。大野さんがデザインした橋は奥深く普遍的なテーマ性がある」と語った。

     

     てい談では、松井氏が大野氏との協働について「デザインのゴールに対するイメージがしっかりあって、そこに向かっていけば、こだわらずにどんなアイデアも受け入れていく。基本的にシンプルだが繊細で丁寧な仕事だった」などと述懐。

     

     篠原氏も「既成概念にとらわれない、外見とは違い非常に力強い女性だった」と、その人となりに触れつつ、「問題はそのあとを継ぐ人であり、土木の世界でそういう人を迎え入れていく気があるのかということ」と提起した。

     

     内藤氏は「公共のデザイン、橋のデザインは最終的にそれを使う人とコミュニケショーンをとらないといけない。大野さんがデザインに加わるとそうした人たちとの距離が縮まるということがあった。そこには男性には分からない女性デザイナーとしての回路、肌に触れるような、人の近いところにいくような回路があったのではないか。それを改めて展覧会で確認したい」と述べた。

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    掲載日: 2018年4月11日 | presented by 建設通信新聞

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