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  • メーカー各社/建設資材、相次ぎ値上げ/コスト削減、自助努力も限界

    【ドライバー不足で輸送費高騰】

     

     深刻なトラック、ドライバー不足による物流費や原油価格の上昇により、建設資材の値上げ表明が相次いでいる。生産の合理化などコスト削減を続けてきたものの、「自助努力が限界に達した」との判断は各メーカーに共通。新年度に入って値上げの動きはさらに加速しており、建設コストを一層押し上げそうだ。 「やらざるを得ない」。2017年11月に太平洋セメントが開いた決算説明会で福田修二社長(当時)が表明した。セメント大手のトップは17年に入り値上げの必要性を何度も強調したが、具体化するまでには至らなかった。だが足元では石炭価格の上昇に加え、船舶用燃料の上昇やセメントバラ車のドライバー不足により物流コストが膨らんでいる。さらに「賃金を上げないと人が集まらない状況に加え、陸上輸送の効率化や安定供給を確保するために容認している高速道路利用もコストを押し上げている」(福田前社長)。キルン内部に貼り付ける耐火れんがの価格も、中国の鉱山における採掘停止の影響を受けて急騰。最大手の値上げ表明で、他社が自然と追随できる流れが整った。

     

     太平洋を皮切りに、宇部三菱セメントや住友大阪セメントも表明。18年1月にはデンカやトクヤマ、同3月には麻生セメントも追随し、値上げの流れは広がった。13年以来のそろい踏みとなり、その上げ幅は主に1t当たり1000円または1000円以上。

     

     各社は「コストの上昇トレンドは引き続き収益を圧迫する」として、浸透に強い意気込みを示す。前回は有額回答を得られるまでかなりの時間を要したが「今回は一定の期間で交渉を仕上げたい」(各社)考え。セメント価格の動向次第では、セメントを原料とし、建物の外壁に使うALC(軽量気泡コンクリート)製品の値上げの可能性もあり得るため、今後の動向に注目が集まる。

     

     ミキサー車両でも運転手の不足が生じている。東京地区生コンクリート協同組合は、主要原材料となる骨材業者などの輸送力低下も要因の1つとして、17年12月1日引合受付分から生コン価格を1m3当たり1000円引き上げるべく、ゼネコンへのPRに注力している。

     

     建材メーカーにとっても人手不足による資材輸送費の高騰は深刻。エーアンドエーマテリアルは5月1日出荷分から全建材製品について10-15%の値上げを実施する。

     

     ガラス値上げも広がっている。輸送費はもちろんのこと原油高、ガラス原料となる珪砂とソーダ灰、アルミ地金などの副資材の高騰が要因。首都圏の大型再開発により需要が回復し、値上げの環境が整ったことも背景にある。既に日本板硝子が3月1日から板ガラスと鏡製品、建築用機能ガラスを値上げ、 旭硝子が4月1日から板ガラス10-15%、鏡製品10%程度、建築用加工ガラス10%程度を値上げした。YKKAPも6月1日からAP製複層ガラスの一部で約10%、 ガラス組み込み窓の完成品の一部で2-5%値上げする。

     

     原油高は床材の値上げにも波及している。大建工業は、南洋材合板を使った床材を4月23日出荷分から2-5%値上げする。原木の供給が減っていることに加え、原油高により接着剤価格が上昇したことも要因の1つという。原油高はストレートアスファルトの価格上昇にもつながるため、今後はアスファルト合材の値上げの動きもありそうだ。

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    掲載日: 2018年4月12日 | presented by 建設通信新聞

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