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  • 大成建設/仮設工事の手間 大幅削減/地中連続壁に高性能継手

     大成建設は、地中連続壁の高性能継手「T-Scutジョイント」を開発した。先行エレメント端部にあらかじめ密閉された継手用空間を設置し、後行エレメントを施工する際に掘削と同時に先行エレメント端部のコンクリートを切削する。従来の剛結継手で必要だった仮設工事の手間を大幅に削減でき、施工の手間を1割程度まで抑える。地中連続壁全体のコストも1割程度削減する。コンクリート漏れを防げるため、品質向上にもつながる。

     

     地中連続壁の構築に剛結継手を適用する場合、先行エレメント施工時はコンクリート漏れを防ぐため、鉄筋かごに仕切り板やシートを設ける必要がある。後行エレメント施工時も鉄筋を保護する継手部の防護板を設置するなど、仮設工事に手間がかかっていた。また、仮設資材や作業手間が多く複雑なため、施工性低下や躯体品質確保が困難な要因となっていた。

     

     T-Scutジョイントは、あらかじめ先行エレメント端部にスタッドを溶接した仕切りプレートと塩ビ製の空間保持材で構成する閉塞した継手用空間を設けて、コンクリートを打設する。後行エレメント構築部の掘削時には先行エレメント端部のコンクリートも切削して継手用空間を開放し、コンクリートを打設して一体化させる。

     

     そのため、継手の納まりの簡素化や仮設工事の大幅な削減を実現し、施工性が向上するほか、コンクリート漏れの可能性もなくなり躯体品質の信頼性が高まる。

     

     適用する壁厚や深度に制限はなく、現状の掘削機の施工範囲内であれば施工が可能。継手用空間に止水板を設けることで、止水性の高い地中連続壁も構築できる。

     

     壁厚1.8m、深さ41m、コンクリート5000m3規模のモデルケースでの適用を試算した結果、継手の製作と施工の手間は剛結継手の約1割となる1カ所当たり1.2人日となった。また、材料費や施工費を抑え、地中連続壁全体のコストも約1割削減できる。

     

     T-Scutジョイントを活用した工法は、大成式連続地中壁構築工法「TUD工法」として2017年6月に日本建築センターの性能評価を取得済み。同社はT-Scutジョイントを地中連続壁の継手方式のラインアップに加え、超高層ビルや市街地の地下空間などへの地中連続壁工法の適用拡大を図る。

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    掲載日: 2018年4月26日 | presented by 建設通信新聞

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