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  • 現場の逸品・スターツ総合研究所/AI学習で価値査定 「LAPLACE」/15分で建築・事業計画を作成

     ITで取引を効率化する不動産テック分野に、AI(人工知能)による革新的なシステムが出現した。スターツ総合研究所の建築事業計画サービス「LAPLACE」は、立地や建築条件を入力すると、最も収益性の高い建物を提案、資金調達、運営費や修繕コストまで自動的に算出する。従来は専門家が1週間程度かけて作成していたが、AIなら15分。現実のデータと照らし合わせても誤差は5%以内。システム監修の清水千弘日大教授は「世界でもここまでの水準のサービスは類を見ない」と評した。

     

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     なぜ、スターツで世界初のシステムが実現したのか。清水教授は「優れたデータインテグレーション」によると指摘する。AIはある程度の数のサンプルデータを解析、そこから有用な規則やルール、判断基準などを抽出して学習する。ディープラーニングや線形回帰などの学習パターンがあるが、その大前提として「大量かつ正確なデータがある」ことが求められる。

     

     その点、スターツには多岐にわたる不動産関係のグループ会社のデータがある。AIの建築費概算の学習のために、スターツCAMの3年分、約1600件の建築費データが使われ、賃料査定や稼働率、経年後の賃料水準予測には不動産仲介のピタットハウスの募集掲載データ2.5年分、約2億件と成約データ20年分を使用した。

     

     さらに、サービスでは協力会社から正確性の高い情報リソースをAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)として呼び出し、利用する。

     

     NTT空間情報の「ジオスペース」の地図から計画地を選定して必要なデータを入力すると、自動的に都市計画情報を取得し、コンピュータシステム研究所の建築計画「ROOK2」で建築規制領域を3次元化、容積消化率と住戸数が最も効果的なパターン3つを候補に挙げ、CADデータを作成、簡易的な設計図面も自動作成する。金融面では資金計画、最適な賃料の査定や修繕計画の収支も提案する。

     

     「不動産を購入する際に、適正な価格なのかが判断できず、ためらう投資家が多い」と関戸博高取締役副会長は話す。しかしLAPLACEの登場で公平な査定が可能になった。街の不動産業や貸し主、金融事業者でも簡単に概算でき、不動産の価値を判定する統一システムとして、業界全体をより透明化できる。「建物はすべてデータになるとわれわれは考える。今後、さらに自動化を進め、AIやBIMを活用した建築プロセスの融合を目指したい」

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    掲載日: 2018年5月14日 | presented by 建設通信新聞

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