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  • クワッドアクセル/2018年秋から本格導入/世界初 端末で複数建機を操作/水機構・小石原川ダムで定礎式 鹿島JV

     水資源機構が12日に開いた小石原川ダム(福岡県)の定礎式で、施工を担当する鹿島・竹中土木・三井住友建設JVは、建設機械の自動化施工システム「A4CSEL」(クワッドアクセル)による埋納の儀を行った。建設機械の遠隔操作と異なり、1人の作業員がタブレット端末を用いて作業を指示すれば、複数の建設機械が自律的に判断し作業を行う世界初の技術となる。今秋から本格導入する。=関連8面

     

     同システムは、鹿島がコマツと共同で研究開発を進めるとともに、AI(人工知能)の導入促進に向け理化学研究所革新知能統合研究センター内に連携チームを設置し、3者で自動化機械のさらなる自律性向上、自動化施工における生産計画や管理の合理化・最適化を目指した。将来の熟練技能者減少に対応し、建設機械と作業員の混合作業の安全性向上にもつながる次世代の建設生産システムとなる。

     

     これまで2015年に福岡県発注の五ケ山ダム工事で振動ローラーとブルドーザーの自動施工、16年には国土交通省発注の大分川ダム工事で自動ダンプトラックの導入試験を実施し、ダンプトラックの運搬や荷下ろしから、ブルドーザーのまき出し、振動ローラーの転圧まで、一連の土工事の自動化に初めて成功した。

     

     小石原川ダムは、中央コア型ロックフィルダムで、139mの堤高は九州で最も高く、コア材は95万6000m3に及ぶ。定礎式の埋納の儀では、3機種の建設機械をそれぞれ1台ずつ、1台のタブレット端末で動かした。55t積級ダンプトラックでコア材を運搬し、22t級ブルドーザーで敷き均した後、11t級振動ローラーで締め固めた。本格導入ではダンプトラック3台、ブルドーザー2台、振動ローラー4台を1人のオペレーターが操作する予定だ。

     

     鹿島JVの大内斉所長は、「来年7月完了を目標に堤体盛り立てを進めている。現在はダム中央のコア部分の施工で一部を自動化しているが、8月からは周辺のロック部分も自動化したい」と話した。水資源機構朝倉総合事業所の染谷健司所長は、「建設機械の難しい動きに技術の進歩を感じた。今後も協力してダム関連技術の発展に取り組みたい」と期待を寄せた。

     

     同システムは、東北地方整備局が発注し、鹿島・前田建設工業・竹中土木JVが施工を担当する成瀬ダム堤体打設工事にも導入する。また、ショベルカーの自動化も別途、研究開発中という。

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    掲載日: 2018年5月15日 | presented by 建設通信新聞

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